今季から新設のネーションズリーグ。
男子に先駆けて女子の予選ラウンドが終了した。

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・ネーションズリーグ・予選ラウンド 最終順位

1位. アメリカ🇺🇸
(コアチーム・世界ランキング2位)13勝2敗 

2位.セルビア🇷🇸
(コアチーム・世界ランキング3位)12勝3敗

3位.ブラジル🇧🇷
(コアチーム・世界ランキング4位)12勝3敗

4位.オランダ🇳🇱
(コアチーム・世界ランキング8位)12勝3敗   

5位.トルコ🇹🇷
(コアチーム・世界ランキング12位)11勝4敗

6位.イタリア🇮🇹
(コアチーム・世界ランキング7位)10勝5敗
 
7位.ロシア🇷🇺
(コアチーム・世界ランキング5位)8勝7敗 

8位.ポーランド🇵🇱
(チャレンジャーチーム・世界ランキング22位)8勝7敗

9位.中国🇨🇳
(コアチーム・世界ランキング1位)7勝8敗

10位.日本🇯🇵
(コアチーム・世界ランキング6位)7勝8敗

11位.ドイツ🇩🇪
(コアチーム・世界ランキング13位)5勝10敗

12位.韓国🇰🇷
(コアチーム・世界ランキング10位)5勝10敗  

13位.ベルギー🇧🇪
(チャレンジャーチーム・世界ランキング13位)4勝11敗

14位ドミニカ共和国🇩🇴
(チャレンジャーチーム・世界ランキング9位)3勝12敗

15位.タイ🇹🇭
(コアチーム・世界ランキング16位)2勝13敗

16位.アルゼンチン🇦🇷
(チャレンジャーチーム・世界ランキング11位)1勝14敗


※上位5チームと主催国・中国が決勝ラウンド進出。 

リオデジャネイロオリンピックの金銀銅メダリストである中国、セルビア、アメリカ、4位のオランダが残り、主催国だったかつての女王ブラジル、そして復権したトルコの6チームが残った。
猛追したイタリア、主力を欠きもうひとつのロシア、復活のポーランドに続き、日本は10位という結果に終わった。

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ひとつ負け越し、この微妙な成績が今の日本の全てかもしれない。

この大会でみて分かったこととは…。


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課題

・不動のエースを作ること。

・サーブレシーブの安定。

・高さ対策

・ミドルの攻撃参加を増やす(特にラリー中)
 

プラス点として

・黒後愛選手の台頭、石井優希選手の安定

・田代佳奈美選手の復活

・ミドルの守備力アップ

やはり、ラリーになると中々相手ブロックを越せず、決めきってくれる選手がどうしても必要となる。

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やはり、打ち分ける能力も含め古賀紗理那選手が一枚抜けている。サーブレシーブのことも含め、彼女が軸にならないと困る。

A,Bパスが通って速いテンポでレセプションアタックが決まる時はともかく、レシーブが乱れる、二段トスになる、山なりのゆっくりしたトスになるドシャットになる。

やはりサーブレシーブ、そしてラリー中の決定力がかなり重要。  
新鍋、内瀬戸選手。特に攻撃でもシャープなクロスや巧みな打ち分けをする新鍋選手は必要不可欠。

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終盤、ミドル陣が見せてくれたようにラリー中に速攻交えたミドルの得点がかなり必要。
それがあれば、パイプも効果的。
主にパイプは古賀、石井、黒後選手の三名が積極的に取り組んでいる。
あとはコンビを熟練させ、バックアタックの決定力を高める。

これは全日本男子でも積極的に取り組み、成果を出している。

また、本大会ではミドルの守備力がかなり向上した。先日も書かせて頂いた通り、ミドルのサーブレシーブ参加、それに伴うバリエーションの拡大も視野に入れて貰いたい。

また、高さ対策として、松本選手の起用、オポジット起用の話ではないが、高さのある選手の積極起用も視野に入れて貰いたい。

能力のある選手を遊ばせておくのは勿体ない。

セッターに関しては、田代選手が復活したが、それでも一長一短。佐藤美弥選手も含め差のない状況。


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前述の高さ対策の見直しではないが、最長身にして瞬発力抜群、ディグもサーブもよい宮下遥選手の見直しをする時期が来ていると思う。

来年になってからでは時間の徒労である。
起動修正するなら今。
 
再考の余地は十二分にある。

秋には荒木、長岡選手の復帰が見込まれるが、そこばかりに頼らず、チーム全体のレベルが待たれる。

アメリカ遠征、アジア競技大会に注目したい。


長かった予選ラウンドも終わり、個人部門にも目を向けたい。


まず、ベストスコア(総得点)部門から
 

・ベストスコアラー上位3名

1位.マルヴィナ・スマジェク選手(ポーランド🇵🇱)361得点

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2位.ブライエリン・マルティネス選手(ドミニカ共和国)
250得点

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3位.ティヤナ・ボシュコビッチ選手(セルビア🇷🇸)238得点

Tijana Boškovic

ポーランドの躍進を担ったスマジェク選手がダントツのベストスコアラー。ボシュコビッチ選手をけ落とし、ブライエリン・マルティネス選手が2位ランクイン。2mの高さから繰り出すアタックに日本も手を焼いた。

尚、日本人最上位は終盤頑張った黒後愛選手が158得点20位につけた。



続いては、ベストスパイカー(アタック決定率)部門から
 

・ベストスパイカー上位3名

1位.ティヤナ・ボシュコビッチ選手(セルビア🇷🇸)49.28%

Tijana Boškovic



2位.ミシェル・バーチ選手(アメリカ🇺🇸)47.97%

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3位.マルヴィナ・スマジェク選手(ポーランド🇵🇱)44.03%

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1,2位は不動のまま、サウスポーの利点でボシュコビッチ選手かトップ。ミハイロビッチ選手欠場を受け、スマジェク選手が3位にジャンプした。

こちらも黒後愛選手が37.44で日本人トップの20位にランク。



続いては、ベストブロッカー(1セットあたり)部門から
 

・ベストブロッカー上位3名

 
1位.アグニェシュカ・コンコレフスカ選手(ポーランド🇵🇱)0.90

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2位.アデニジア・ダ・シウバ選手選手(ブラジル🇧🇷)0.80

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3位.アナ・ベアトリス選手(ブラジル🇧🇷)0.77

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こちらはポーランドのコンコレフスカ選手がトップ。アナ・ベアトリス選手が3位に入りブラジルが2,3位。日本は奥村選手が数字を伸ばして0.33で33位にジャンプアップ。



続いては、ベストサーバー(1セットあたり)部門
 

・ベストサーバー上位3名 


1位.マルレーナ・プルシニエロビッチ 選手(ポーランド🇵🇱)0.41

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2位.マルリース・ヤンセンス選手(ベルギー🇧🇪)
0.39

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3位.エダ・エルデム・デュンダル選手(トルコ🇹🇷)0.37

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トルコを牽引するエダ・エルデム・デュンダル選手が首位をキープした。2位にはベルギーのヤンセンス選手が食い込む。
日本人ベストは新鍋理沙選手の0.19で36位。




続いては、ベストセッター(1セットあたり)部門から
 

・ベストセッター上位3名 

1位.カーリー・ロイド選手(アメリカ🇺🇸)16.89

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2位.イルカ・ファンデフェイフェル選手(ベルギー🇧🇪)15.22

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3位.ロベルタ・ラツキ選手(ブラジル🇧🇷)14.72

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こちらはアメリカのカーリー・ロイド選手が首位を死守。ブラジルのキャプテン、ロベルタ選手が3位にランクイン。日本人では、田代佳奈美選手が11.67で5位にランクした。
 


続いては、ベストディガー(1セットあたり)部門から
 

・ベストディガー上位3名 

1位.セライン・ヴァン・ジェステル選手(ベルギー🇧🇪)1.96

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2位.スエレン・ピント選手(ブラジル🇧🇷)1.92

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3位.シムゲ・アコズ選手(トルコ🇹🇷)1.90

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ケルシー・ロビンソン選手が4位に転落。
ベルギーのサイドアタッカー、ジェステル選手が3位から一気にジャンプアップした。
2位はブラジルのリベロ、ピント選手。3位はトルコのリベロ、アコズ選手。日本は石井選手が1.43の10位でフィニッシュした。



最後は、ベストレシーバー部門から
 

・ベストレシーバー上位3名 

1位.キンバリー・ヒル選手(アメリカ🇺🇸)22.32

Kimberly Hill


2位.ブリット・ハーボッツ選手(ベルギー🇧🇪)20.92

Britt Herbots


3位.ケルシー・ロビンソン選手(アメリカ🇺🇸)19.67

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ヒル選手が再び、ブリッツ・ハーボッツ選手に競り勝ち1位を獲得。ベストディガーで4位に転落したケルシー・ロビンソン選手はこちらで3位にランクイン。日本人では石井選手が15.90で7位にランクアップした。



ちなみに、各部門の日本人上位者を掲載すると…。

ベストスコア(総得点)部門
黒後愛選手 158得点(総合20位)

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・ベストスパイカー(アタック決定率)部門
黒後愛選手 37.44(総合20位) 

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・ベストブロッカー(1セットあたり)部門
奥村麻依選手 0.33(総合33位)

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・ベストサーバー(1セットあたり)部門
新鍋理沙選手 0.19(総合36位)

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・ベストセッター(1セットあたり)部門
田代佳奈美選手 11.67(総合5位)

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・ベストディガー(1セットあたり)部門
石井優希選手 1.43 (総合10位)

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・ベストレシーバー部門
石井優希選手 15.90 (総合7位)
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ミハイロビッチ選手、コシェレワ選手をはじめ、故障中の選手が各チーム何人かいて、その動向次第で世界選手権の行方も変わってこよう。

その前に決勝ラウンドの動向。
主力を休ませながら臨んだ中国、ベテランと主力をローテで使ってきたアメリカ。ジャケリネ、タイーザ選手の導入なるかブラジル。
セルビアはミハイロビッチ選手抜きで闘う。

大会の有利・不利が、そして本大会の結果がそのまま秋の結果に結び付くとは限らない。

どのみち、これ以降、直接対決はない。
得たデータがどの程度役に立つか、それは各国の取り組み方次第。

まずは、ネーションズリーグの決勝ラウンド。全てはそれから。