今にしてみると、2015年の全日本は開幕前、かなり絶望的だった。

ハイブリッド6は頓挫し、佐野優子、中道瞳選手というリベロ、セッター問題の中核か引退。

振り出しに戻った。

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実際のところ、新戦術が以後、どうなるのか明言されず、正直、お先真っ暗というか、先行きか不明瞭なシーズンインとなった。

ところが、である。

全日本の戦力ダウンは、他の選手にとってチャンスである。

特にミドルブロッカー。

MB1〜ハイブリッド6という一連の流れで狭き門となったミドルは再編される形となり、2014年には山口舞、大野果奈選手と僅か2名のみだったミドルブロッカーにチャンスが広がった。

大竹里歩選手が全日本に復帰し、島村春世選手がチャンスを掴んだ。

そして…。

新たなる時代の到来を予感させる二名の若きサイドアタッカーが全日本を席巻する。

古賀紗理那選手
そして
宮部藍梨選手。


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国内デビューとなるワールドグランプリ。
古賀選手と宮部選手の出現、二人のアタッカーの登場はセンセーショナルだった。

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イタリア戦で、それまでの景色は一瞬で塗り変わった。

第1セット、5-5のから4連続得点でイタリアが
6-10とリード。中盤、日本は宮下選手と石井選手をコートに送り込み追い上げを図るも、キリケッラ、ルチーア選手のスパイクで引き離され、15-25で第1セットを落とす。

第2セット、日本はスタートから宮下、山口選手、宮部選手を起用。立ち上がりに1-3とイタリアにリードを許すと、島村選手のクイックや宮部選手のスパイク、さらに古賀、島村選手のスパイクなどで4連続得点を奪うも17-20とイタリアリード。日本は古賀選手のスパイク、宮部選手の1枚ブロックなどで5連続得点を奪い、最後は島村選手がサービスエースを決めて逆転し
25-23で第2セットを奪う。

第3セット、2点のビハインドから迎えた中盤。古賀、島村、木村選手のスパイクで3連続得点を挙げ9-8。さらに古賀選手の2連続得点、木村選手のバックアタック、山口選手のクイックで13-10とリード。中盤、山口選手の1枚ブロックを含む4連続得点で17-11と大きくリード。しかしイタリアに食い下がられ21-21の同点。さらに4連続失点を喫し、24-23とイタリアがセットポイント。日本は宮部選手のスパイクでデュース、更に山口選手のブロックを含む3連続得点で27-25とし、日本が2セットを連取。

第4セット、鍋谷選手を起用。古賀選手の連続得点などで4-0とリードを奪うと、イタリアタイムアウト。ここから形成逆転しイタリア6-8。一進一退が続き15-16。日本は島村選手のスパイク、サービスエースで18-16と一歩抜け出したが、イタリアに連続スパイクを決められ19-21と逆転される。終盤、21-24でイタリアにセットポイントを握られると、日本は古賀選手のブロックなどでデュースに持ち込んだが、最後は24-26で第4セットをイタリアに奪われ、フルセットへ。

最終セット、双方譲らず7-8でコートチェンジ。日本は宮部選手のスパイク、山口選手のクイックで9-8と逆転に成功するも、イタリアも9-10と再度逆転。その後イタリアに3連続得点を許し11-14とマッチポイントを握られると、古賀選手のスパイクで追い上げたが、最後はアリゲッティ選手のスパイクで12-15で日本は惜しい敗戦を喫した。


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敗れたものの、それまでの全日本とは全く違う光景が広がっていた。

この試合、古賀選手は全セットフル出場し23得点。宮部選手は第二セットから出場し16得点を収めた。

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それはメグカナ時代の再来かのようにセンセーショナルで、暗雲垂れ込めていた全日本に大きな光明が差し込んだ。

そう、リオに向けて大きな希望が。
(続く)