随分と長い大会であったネーションズリーグも、ようやく終焉を迎えようとしている。
毎年開催の国際大会にしては異例の長さで、5月スタートだから約2ヶ月間のロングラン。
日本はコアチームなので、今後、同大会が消滅しない限り、毎年闘っていくことになる。
実は、毎年恒例の代表チームによる闘い始めであった、モントルー・バレーマスターズはネーションズリーグの新設と長期化に伴い時期が移転され、9月4日から9日までの6日間に渡り実施される。
ちなみに、参加国もこの時点で決まっている。
・プール A
中国🇨🇳
世界ランキング1位
イタリア🇮🇹
世界ランキング7位
スイス🇨🇭 ※ホスト国
世界ランキング45位
トルコ🇨🇳
世界ランキング12位
・プール B
ブラジル🇧🇷
世界ランキング4位
カメルーン🇨🇲
世界ランキング18位
ポーランド🇵🇱
世界ランキング22位
ロシア🇷🇺
世界ランキング5位
規模は相変わらず小さいのだが、時期的にはアジア競技大会の直後にあたり、アジアカップはモントルー・バレーマスターズ終了後の9/16〜23までとなり、アジア圏の国際大会の狭間に開催される。
世界選手権開幕が9/29からなので、その20日前に閉幕と時期的にもよく、中国を始めとする数ヶ国はここを最終調整の場としている。
新生全日本はモントルー・バレーマスターズを敬遠する傾向にあり、根幹の国際大会以外はもっぱら合宿に充てる方針のため、同大会に出場することは2020年まではなさそうだ。
尚、このモントルー・バレーマスターズにはカメルーンが参加しており、世界選手権の前哨戦として位置づけている。
アフリカ大陸では列記とした強豪国で予選でも優勝している。日本もリオデジャネイロオリンピックで苦戦している。
また、復活のポーランドもこちらに参戦しており、世界選手権には出場しないものの、積極的に国際大会の経験を積ませる方針のようだ。
不思議なのはスイス。
スイス・ナショナルリーグも実施され、ヴォレロ・チューリッヒのような強豪クラブチームも存在するのに、代表チームはさっぱり。
最も、パレーポールの世界ランキングほどあてにならないものはなく、世界ランキング22位のポーランドに世界ランキング6位の日本は負けている。
また、ネーションズリーグでセミファイナルに進出する躍進のトルコも近さからこちらを最終調整の場にしてきた。
僅か一年あまりで世界の列強の仲間入りを果たし、近い将来、オランダと立場が逆になるかもしれない。
ともにジョバンニ監督の息の掛かったチーム。恐るべし。
これらのチームの幾つかを、世界選手権で迎え撃つ日本。
日本はA組。
オランダ、ドイツ、アルゼンチン、カメルーン、メキシコと同組。
オランダを除き大敵はすくなく、
かなり楽な編成。
この第一次ラウンドの預貯金が
第二次ラウンドにも反映される。
よって、第一次ラウンドは全勝。
もしくはそれに準ずる成績で通過したい。
なお、前述のカメルーンとは同じA組となる。
いささか気の速い話だが、今回、その間にあるアジア競技大会は、前述のモントルー・バレーマスターズ同様、単なる最終調整と人選の場に過ぎない。
全日本女子バレーボールがアジア競技大会に向けて調整が進められる中、朗報がもたらされた。
既にお伝えした通り、全日本にサウスポーエース・長岡望悠選手がようやく合流した。
これで全日本は世界選手権へのラストピースが間に合い、当面はアメリカ遠征を経て、アジア競技大会へ集中することになる。
全ては世界選手権のために。
そして、その先にある
東京オリンピックのために。
さて、話を現在に戻す。
ネーションズのセミファイナル進出4チームが絞られた。
・プールA 上位2チーム
ファイナルラウンド A組1位.ブラジル🇧🇷 2勝
(コアチーム・世界ランキング4位)予選ラウンド3位 12勝3敗
ファイナルラウンド A組2位 中国🇨🇳 1勝1敗
(コアチーム・世界ランキング1位)7勝8敗 ※主催国
・プールB 上位2チーム
ファイナルラウンド B組1位 アメリカ🇺🇸 2勝
(コアチーム・世界ランキング2位)予選ラウンド1位 13勝2敗
ファイナルラウンド B組2位 トルコ🇹🇷 1勝1敗
(コアチーム・世界ランキング12位)予選ラウンド5位 11勝4敗
以上、4チームによって、2018年前半、最後のクライマックスへと突入する。
※詳しくはこちらを参照。
「特集:ネーションズリーグ・ファイナルと、全日本合宿再開」⇒http://blog.livedoor.jp/tighteenapple-volleyballjapan/archives/27103964.html
・ファイナルラウンド
セミファイナル
16:00〜
ファイナルラウンド A組1位.ブラジル🇧🇷 2勝
(コアチーム・世界ランキング4位)予選ラウンド3位 12勝3敗
0-3
(23-25 23-25 22-25)
○ファイナルラウンド B組2位 トルコ🇹🇷 1勝1敗
(コアチーム・世界ランキング12位)予選ラウンド5位 11勝4敗
第一セット、中盤までは全くの五分。トルコはタンダラ選手のサーブを警戒しレシーバーを投入する念の入れよう。また、トルコの雑な攻めでブレイクを阻止。トルコはブラジルのレシーブ返らず。さらにブロックで仕留め16-13とリードする。
トルコはラリーの最中ライトから決めきり21-17としブラジルタイムアウト。ブラジルはベアトリス選手のブロックで20-22としトルコタイムアウト。ブラジルは二枚換えでジャケリネ選手をピンチサーバーへ。バックアタックで22-24としトルコ二回目のタイムアウト。最後はタンダラ選手のバックアタックがアウトとなりトルコが25-23でブラジルの追撃を振り切る。
勢いに乗るトルコ、サーブで崩してブロック
さらにサービスエースで4-0と一気にリード。ブラジルは3点を返すも、トルコはラリーをプッシュで制し、さらにブラジルのプッシュをブロックし8-3と大きくリード。
ブラジルはガビ選手のレフトからのアタックなどで反撃し9-9の同点に追い付くも、トルコの高さに手を焼き、ライトからのアタックなどで再び2点差。ブラジルはタンダラ選手のバックアタックで反撃するも、ボズ選手のライトからのクロスでトルコ16-14とリード。
ブラジルはタンダラ選手のレフトからのクロスで同点に追い付くも、トルコはボズ選手のダイレクトで20-19としブラジルタイムアウト。ボズ、タンダラ選手両エースのバックアタックの応酬もトルコがレフトからのアタックでブラジルを振り切り25-23の僅差で第二セットも連取。王手をかける。
第三セット、トルコはレフトからのアタック、サービスエース、ライトからのアタックなどで5-1と一気にリードしブラジルタイムアウト。ブラジルはタンダラ選手のアタックなどで3点を返すも、ブラジルのアタックミスで8-4とトルコがリードする。
ブラジルは8-8の同点に追い付くも、トルコはポズ選手のアタックなどで再び2点差とし、サーブで崩してレフトからのブロック、バックアタックを連続ブロック、さらにサービスエースで一気に崩し14-8でブラジルタイムアウト。
一時は16-9と7点差にまで広げたトルコ。ブラジルはボズ選手のバックライトをブロックするなど12-16に詰め、トルコタイムアウト。ブラジルはタンダラ選手のプッシュ、トルコのレフトからのアタックアウトなどで2点差に詰め寄るも、最後はトルコのツーアタックが決まり25-22でトルコがとり、3-0のストレートでトルコがブラジルを下しファイナル進出を決めました。
・ベストスコアラー
タンダラ・カイシエタ選手(ブラジル)
20得点
サーブで崩してブロックで掴まえる、打ってはボズ選手を中心にブロードでサイドアウトをとり、攻めのお手本のような形で終始先手を取ったトルコ。ブラジルが終盤追い上げても届かない展開のまま女王退治に成功。
お見事というほかありません。
ともあれ、トルコはジョバンニ監督就任二年目で早くも世界の列強の仲間入りを果たしました。果たしてネーションズリーグが初のビッグタイトルとなるか、明日が注目されます。
20:45〜
○ファイナルラウンド B組1位 アメリカ🇺🇸 2勝
(コアチーム・世界ランキング2位)予選ラウンド1位 13勝2敗
3-1
(25-23 25-20 18-25 25-18)
ファイナルラウンド A組2位 中国🇨🇳 1勝1敗
(コアチーム・世界ランキング1位)7勝8敗 ※主催国
6-4と先行するアメリカ。中国はリュウ・ギョウトン選手のアタック、プッシュ、レフトからのアタックでブロックを打ち破り8-6と逆転。
中国はラーソン選手のアタックをブロック、シュ・ティ選手のレフトから相手ブロックを打ち破るクロスなどで得点を重ね16-11とリードを広げる。
アメリカはアンドレア・ドリュース選手のライトからのアタック、ミシェル・バーチ選手のバックアタックなどで16-18に追い上げ、アメリカタイムアウト。
アメリカはテトリ・ディクソン選手のクイック、ラーソン選手のサービスエースなどで同点に追い付くと、最後は中国のバックアタック、シュ・ティ選手のレフトからのアタックを連続ブロックし25-23でアメリカが逆転で第一セットを先取する。
第二セット、4-4からアメリカはミシェル・バーチ選手のサーブで崩してアキンラデウォ選手がダイレクト。さらに中国のアタックアウトなどで8-5と抜け出す。
アメリカはテトリ・ディクソン選手のクイック、ミシェル・バーチ選手のレフトからのクロスなどで得点を重ね14-9とリードし中国タイムアウト。アメリカ16-10で終盤へ。
アメリカはアキンラデウォ選手のクイックとダイレクトで連続得点するも、中国はエン・シンゲツ選手のクイックとブロックなどで反撃し14-18でアメリカタイムアウト。
さらに中国はリュウ・ギョウトン選手のバックからのフェイントなどて17-1に迫りアメリカ二回目のタイムアウト。
アメリカはラーソン、マーフィー選手がレフト、ライトからクロスを決め22-18と突き放し中国タイムアウト。双方一点ずつ奪いアメリカセットポイント。最後はシュ・ティ選手のサーブアウトで25-20でアメリカがセットを連取。王手を掛ける。
第三セット、アメリカはマーフィー選手のサーブで崩してブロック、アタックアウトなどで7-4とリードするも、中国はサーブで攻めてブロック、連続サービスエース、ブロックで8-7と逆転に成功する。
更に中国はサービスエースなどで13-10とリードを広げアメリカタイムアウト。中国はシュ・ティ選手が二枚ブロックをクロスで撃ち抜くなど16-12とリードする。
中国はシュ・ティ選手のレフトからのストレートなどで21-16とリードを広げアメリカ二回目のタイムアウト。リードに守られた中国はクイックで決め25-18で第三セットを奪い返す。
第四セット、アメリカはマーフィー選手のライトからのアタック、アキンラデウォ選手のブロードなどで8-5とリード。
アメリカはヒル選手のレフトからの連続アタックなどで12-7とリードを広げ中国タイムアウト。中国はレフトからのアタックやバックアタックなどで反撃するも、アメリカはヒル選手のフェイントで切り、16-11とリードする。
中国はヒル選手のパッシング判定からレフトから二枚ブロックを抜くアタックで16-20としアメリカタイムアウト。アメリカはテトリ・ディクソン選手のサービスエースなどでマッチポイント。最後はヒル選手のプッシュで決め、25-18で獲りセットカウント3-1でアメリカが勝利しました。
・ベストスコアラー
ミシェル・バーチ選手(アメリカ)
24得点
この試合に限って言えば、終始アメリカが主導権を渡さなかった。特にマーフィー、テトリ・ディクソン選手のサーブで崩すところやアンドレア・ドリューズ選手の二枚換えなど終始一貫白線を変えず、かつ臨機応変に対応し勝利しました。
これで明日のファイナルは、
アメリカvsトルコ
三位決定戦は
中国とブラジル
以上に決定しました。
明日のファイナルもお楽しみに。
※ライブ配信がございます。
いよいよベスト4。役者が揃った。
ネーションズリーグの最終局面、セミファイナルをお楽しみに。
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