ネーションズリーグも遂にファイナルを迎えようとしている。

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あまりに長かったので、この時期が永遠に続くように感じられた。

参加16チームの頂点が、本日決まろうとしている。

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ちなみに、本大会で凌ぎを削ったアジアのライバル、中国、韓国、タイは揃って世界選手権に出場する。
そこにカザフスタンも加わる。

アジア枠はバラバラで日本はA組、中国がB組、韓国、タイはC組、カザフスタンはD組それぞれでスタート。



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タイは世界選手権の出場こそあるものの、オリンピックには縁がなく、再三涙を呑んでいる。それも二大会続けて日本とは深い因縁が出来てしまった。

戦績こそ日本の圧倒的優位だが、実際は大苦戦。2013年のアジア選手権ではストレート負けを喫し、昨年のアジア選手権も、今年のネーションズリーグでも大苦戦を強いられた。

スピード、頑強なディグ、熟練のコンビ、どれをとっても日本にひけを取らないタイは、実績以上にライバル。
相性を考えれば韓国より怖い。

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その韓国、日本が負けるのは決まってオリンピック前後。ここだけは目の色が違う。少なからず、お国事情も含まれていることだろう。 
 
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そして、ライバルというよりは倒さなくてはならない宿敵の中国。
昨日はアメリカにストレート負けを喫し、三位決定戦に回る。
中国は高さと組織的なバレーのアメリカが苦手で、世界選手権でも決勝戦で敗れている。
アメリカはマーフィー、アンドレア・ドリューズ選手といったサウスポーの併用、そしてヒル、ラーソン選手など決定力の高さとサーブとブロックの前に苦杯を舐めた。やはり中国戦、サーブと高さ対策が鍵を握るだろう。


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カザフスタンは現状、ワンランク下だが上背のあるチームなので技術が追い付いてくると厄介。バレーボールも盛んでベトナムと同じくらい。
いずれ台頭する可能性は十分。


尚、世界選手権には先のチャレンジャーカップを勝ち抜き、来年のネーションズリーグに参加するブルガリアも参戦する。


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ヨーロッパは世界屈指の激戦区で、復活のトルコ、ポーランド以外にも、ポリーナ・ラヒモワ選手率いるアゼルバイジャン、そしてブルガリア、ベラルーシなどがひしめく。


今年、世界選手権の主催国である日本はサーブの強化の一環としてタイヤの穴を通すトレーニング、サーブマシンによるサーブレシーブの練習、そしてディグの強化に余念がない。

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ネーションズリーグが終焉に向かう最中、全日本の当面の目標はアジア競技大会。そして世界選手権。


いずれにしても、世界各国を巻き込んだ国際大会が、今日、幕を閉じる。

第一回のネーションズリーグの覇者が本日、ここに決定する。


・ファイナル進出チーム

ファイナルラウンド B組1位  アメリカ🇺🇸 
(コアチーム・世界ランキング2位)予選ラウンド1位 13勝2敗 

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ファイナルラウンド B組2位   トルコ🇹🇷 
(コアチーム・世界ランキング12位)予選ラウンド5位 11勝4敗 

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世界バレー界では金銀の銀にあたるアメリカ。トップクラスなのだが頂点には何かが足らない。四大大会で優勝は2014世界選手権だけ。

足掛け一年あまりで名乗りをあげるダークホースのトルコ。イタリア、オランダ、ロシアなど並みいる強豪を蹴散らし、堂々のファイナリスト。アメリカとはフルセットの激戦を演じている。果たして、今回は?



・3位決定戦出場チーム

ファイナルラウンド A組1位.ブラジル🇧🇷
(コアチーム・世界ランキング4位)予選ラウンド3位 12勝3敗

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ファイナルラウンド A組2位 中国🇨🇳
(コアチーム・世界ランキング1位)7勝8敗 ※主催国

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昨年のワールドグランプリの覇者・ブラジルはファイナルを待たずにこちらへ回った。
今年はナタリア選手もおらず、タンダラ選手がエース。勝ちきるには駒が足りなかったか。

温存策を採ってきた中国だが、世の中そんなに甘くなかった。ただし、四大大会で3つ優勝、ひとつ準優勝の中国にしてみれば、毎年開催のネーションズリーグを落としても痛し痒し。



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※詳しくはこちらを参照。

ネーションズリーグ・決勝ラウンド展望」⇒http://blog.livedoor.jp/tighteenapple-volleyballjapan/archives/26950623.html 

特集:ネーションズリーグ・ファイナルと、全日本合宿再開」⇒http://blog.livedoor.jp/tighteenapple-volleyballjapan/archives/27103964.html



・ファイナルラウンド
 
三位決定戦

16:00〜 

ファイナルラウンド A組1位.ブラジル🇧🇷
(コアチーム・世界ランキング4位)予選ラウンド3位 12勝3敗
0-3
(18-25 22-25 22-25)
ファイナルラウンド A組2位 中国🇨🇳 
(コアチーム・世界ランキング1位)7勝8敗 ※主催国

※中国が三位入賞

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第一セット、序盤は一進一退。エン・シンゲツ選手がアクシデントで途中退場。ブラジルは中国の二度に渡るダイレクトを跳ね返し、パスアタックで8-6とリード。
中国はリ・エイエイ選手のバックセンター、ブロック、リ・エイエイ選手のレフトからのアタック、タンダラ選手のバックアタックがアウトとなり、16-12とリードする。
ブラジルはガビ選手のレフトからのアタック、タンダラ選手のバックアタックなどで追いかけ、中国はシュ・ティ選手のレフトからのアタックでラリーを制するなど応戦。ブラジルはレフトからのアタックからピンチサーバー・モニーキ選手のサービスエースで18-20に迫り中国タイムアウト。
中国はシュ・ティ選手のサービスエースなどで23-18とし、ブラジルタイムアウト。中国はこのリードを守りきり25-18で第一セットを先制する。

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第二セット、ブラジルは一進一退からキャロル選手の2本のブロック、アマンダ選手のバックアタックなどで8-6とリードする。
中国はサーブで崩してリ・エイエイ選手のダイレクト、バックセンターなどで12-10と逆転し、ブラジルタイムアウト。中国はクイックで応戦し、16-14とリードする。
中国はアタックがネットを越えず17-18でタイムアウト。中国はネット際の押し合いを制しブラジルはジャケリネ選手を前衛に投入するもコンビが合わず18-21でブラジル二回目のタイムアウト。ブラジルはキャロル選手のブロックなどで22-24に詰めるも、中国がブラジルを振り切り25-22で第二セットも連取、王手をかける。

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勢いに乗る中国、シュ・ティ選手の三枚ブロックの上から打ちおろすスパイク、サーブで崩してのダイレクトなどで6-3とリード。中国は追いすがるブラジルをリ・エイエイ選手のレフトからのアタックで振り切り8-7とリード。
ブラジルは10-8と逆転に成功するも、中国はヤン・二選手のDクイック、リ・エイエイ選手のサービスエースなどで逆転。ブラジルはタンダラ選手のバックアタックなどで反撃するも、中国はブロードで16-14とリードする。
中国は一旦リードを広げるも、シュ・ティ選手のレフトからのアタックなどで応戦し、25-22でブラジルを振り切り3-0のストレートで地元中国が銅メダルを獲得しました。

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・ベストスコアラー
シュ・ティ選手(中国)
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20得点

シュ・ティ選手の活躍もさることながらリ・エイエイ選手のパイプ、ミドルもしっかり機能し総合力で勝った中国。ブラジルは苦し紛れにジャケリネ選手の投入を試みるも焼け石に水、タンダラ選手で点が取れないと苦しく、ガビ選手は高さがないので崩されると苦しい。世代交代のツケが少しずつ回ってきている印象。若い中国との差が出てしまった。



ファイナル
  
20:00〜 

ファイナルラウンド B組2位   トルコ🇹🇷 
(コアチーム・世界ランキング12位)予選ラウンド5位 11勝4敗 
2-3
(25-17 21-25 28-26 15-25 7-15)
ファイナルラウンド B組1位  アメリカ🇺🇸 
(コアチーム・世界ランキング2位)予選ラウンド1位 13勝2敗    

※アメリカが優勝


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第一セット、トルコはボズ選手のサービスエースなどで4-1とスタートダッシュを決める。アメリカはマーフィー選手のサーブで崩しトルコのアタックアウトを誘い、ミシェル・バーチ選手のレフトからのアタック、バックアタックなどで7-7の同点に追い付くも、トルコはブロードを織り交ぜ、要所で流れを切り、ボズ選手のレフトからのアタックでサイドアウトをとり8-7とリードする。
トルコはボズ選手のレフトからのアタック、サービスエースで12-9とリードを広げアメリカタイムアウト。
トルコはバラディン選手がレフトから決めきると、ボズ選手のサービスエース、さらにサーブで崩して、ミシェル・バーチ選手のレフトからのアタックをブロックし16-10とトルコが大きくリードする。
タイムアウトで息を吹き返したアメリカ、ミシェル・バーチ選手のレフトからのアタックなどで13-16に詰め、トルコタイムアウト。
アメリカはマーフィー選手のライトからアタックで二枚換え。しかし、アメリカのタッチネットで19-14とされアメリカ二回目のタイムアウト。
トルコはレフトからのブロックアウトドア、ボズ選手のライトからのストレートでセットポイント。アメリカはアキンラデウォ選手のクイックからピンチサーバー、ヒル選手のサービスエースで食い下がるも、最後はボズ選手のアタックでワンタッチを取りチャレンジ成功で25-17でトルコが先制する。

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第二セット、一進一退からトルコはブロックからアキンラデウォ選手のブロードがアウトとなり7-5とリード。アメリカはラーソン選手のアタック、ヒル選手のサービスエースなどで8-7と逆転する。
アメリカはラーソン選手にボールを集め得点を重ねるも、トルコはクイックを交え11-13に詰め寄る。しかしアメリカはヒル選手のレフトからのアタックなどで得点を重ね、16-11と再びリードを広げる。
トルコはアメリカのサーブアウトからアキンラデウォ選手のブロードをバラディン選手がブロックし15-18でアメリカタイムアウト。
アメリカはバラディン選手のフェイントをブロックし20-16としトルコタイムアウト。
トルコは20-22まで追い上げるも、ミシェル・バーチ選手のアタックで23-20とされ、トルコ二回目のタイムアウト。
トルコはブロックで追い上げるも、テトリ・ディクソン選手のダイレクトでアメリカセットポイント。最後はヒル選手のレフトからのアタックで決め25-21でアメリカが第二セットを奪い返す。

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第三セット、トルコはミシェル・バーチ選手のアタックミスから連続ブロック、ボズ選手のアタックで4-0と一気にリード。アメリカはミシェル・バーチ選手の2本のアタックなどで追い上げるも、トルコは要所でミドルを使ってのサイドアウトを取り8-5とリード。
トルコはブロック、デュンダル選手のサービスエースなどで12-9としアメリカタイムアウト。アメリカはテトリ・ディクソン選手のクイック、ミシェル・バーチ選手のライトからのアタックで12-14に詰め、トルコタイムアウト。テトリ・ディクソン選手のサーブアウトで16-14でトルコがリードをキープする。
トルコはギネス選手のサービスエースなどで22-17と大きくリードするも、アメリカはアキンラデウォ選手のブロード、ラーソン選手のパスアタック、ブロックなどで19-22に追い上げ、トルコタイムアウト。
アメリカは逆転に成功し、24-23とセットポイント。ここはトルコがギネス選手のブロックで阻止し24-24のデュースに持ち込む。
トルコはコンビミスから建て直し、ボズ選手のアタックでリカバーすると、最後はミシェル・バーチ選手のライトからのクロスがアウトとなりトルコが28-26で取り、王手を掛ける。

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第四セット、アメリカはヒル選手のコース一杯に決めたレフトからのアタックや、ブロックを掻い潜る上手いアタック、アキンラデウォ選手のフェイントなどで7-4とリード。トルコはツーアタックからサービスエースで反撃するも、ミシェル・バーチ選手のバックアタックで切り8-6とアメリカリード。
アメリカは12-7とリードを広げるも、アメリカのダブルコンタクト、アタックアウトからブロックで10-12に詰め、アメリカタイムアウト。アメリカはミシェル・バーチ選手のアタックなどで再び16-11とリードを広げる。
アメリカはアキンラデウォ選手のブロード、さらにコース奥を狙うクレバーなアタック、ヒル選手のサービスエースで20-13とリードを広げトルコタイムアウト。
アメリカはラーソン選手のアタック、アキンラデウォ選手のサービスエースなどで得点を重ねると、最後はヒル選手のサービスエースで25-15で第四セットを取り、フルセットへもつれ込む。

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迎えた最終セット、トルコはプッシュとサービスエースで2点先行。アメリカはヒル、ミシェル・バーチ選手の巧いアタックで4-2と逆転しトルコタイムアウト。トルコはクイックでサイドアウトを取るも、ラリー中のコンビミスで8-4とアメリカリードでコートチェンジ。アメリカはミシェル・バーチ選手のアタック、テトリ・ディクソン選手のブロードなどで得点を重ねるも11-5でトルコ二回目のタイムアウト。アメリカはテトリ・ディクソン選手のクイックでマッチポイント。トルコはブロードで切るも、最後はトルコのサーブアウトでアメリカが3-2のフルセットの末、ネーションズリーグ初代のチャンピオンに輝きました。

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ファイナルに相応しい熱戦ながら、最後は息切れしてしまった感のあるトルコ。やはりチームとしての完成度はアメリカが上で、なるべくしてなった王者でした。
しかしながら一年あまりでこの大躍進は見事で、熟成されると手に追えない強敵となるおそれがあります。
まずはアメリカとトルコの健闘を讃えたいと思います。


・ベストスコアラー
メリエム・ボズ選手(トルコ)
Meryem Boz



エダ・エルデム・デュンダル選手(トルコ)
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キンバリー・ヒル選手(アメリカ)
Kimberly Hill


20得点



遂に迎えたネーションズリーグの最終局面、
アメリカが並みいる強豪を破り、初代王者に輝きました。

この大会の歴史か、今後どういった形で塗りつぶされていくのか、見守りたいと思います。

各国の健闘を改めて祝します。
お疲れ様でした。

・ネーションズリーグ2018
最終順位


優勝. アメリカ🇺🇸
(コアチーム・世界ランキング2位)

準優勝.トルコ🇹🇷
(コアチーム・世界ランキング12位)

3位.中国🇨🇳
(コアチーム・世界ランキング1位)

4位.ブラジル🇧🇷
(コアチーム・世界ランキング4位)

5位.セルビア🇷🇸
(コアチーム・世界ランキング3位)

5位.オランダ🇳🇱
(コアチーム・世界ランキング8位)

7位.イタリア🇮🇹
(コアチーム・世界ランキング7位)
 
8位.ロシア🇷🇺
(コアチーム・世界ランキング5位)

9位.ポーランド🇵🇱
(チャレンジャーチーム・世界ランキング22位)

10位.日本🇯🇵
(コアチーム・世界ランキング6位)

11位.ドイツ🇩🇪
(コアチーム・世界ランキング13位)

12位.韓国🇰🇷
(コアチーム・世界ランキング10位)

13位.ベルギー🇧🇪
(チャレンジャーチーム・世界ランキング13位)

14位ドミニカ共和国🇩🇴
(チャレンジャーチーム・世界ランキング9位)

15位.タイ🇹🇭
(コアチーム・世界ランキング16位)

16位.アルゼンチン🇦🇷
(チャレンジャーチーム・世界ランキング11位)

※チャレンジャーカップ優勝のブルガリアとアルゼンチンが入れ替え。


・個人表彰

DREAM TEAM


・MVP: 

ミシェル・バーチ選手 (アメリカ🇺🇸)
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・ベストオポジット:

タンダラ・カイシエタ選手(ブラジル🇧🇷)
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・ベストアウトサイドヒッター

シュ・ティ選手(中国🇨🇳)
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ミシェル・バーチ選手(アメリカ🇺🇸)
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・ベストミドルブロッカー

エダ・エルデム・デュンダル選手(トルコ🇹🇷)
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テトリ・ディクソン選手(アメリカ🇺🇸)
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・ベストセッター

ジャンス・オズバイ選手(トルコ🇹🇷)
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・ベストリベロ

スエレン・ピント選手(ブラジル🇧🇷)
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