ユニバーシアードの銅メダルマッチを見て、こう思った。

改めて日本の方向性は間違っていないことに気付いた。

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サーブ、サーブレシーブ、ディグ、ミスを少なく。
そして、速いテンポで攻撃を仕掛ける。

相手ブロックが完成してからではサイドアウトが取れないのだ。

実際、ハンガリー戦は苦しい試合だった。
途中からハンガリーに圧倒されはじめた。
ロシアにも高さがネックになった。

アンダーカテゴリーは短期合宿とメンバー選考を兼ねているけども基本は急造チーム。

日本のシニアはボクシングで言うところのヘビー級。  
その殆どがV-league選手から選抜され、オフシーズンの全てを費やす。アンダーカテゴリーと違い、お金も時間も掛けている。

ある意味強くて当たり前だ。

だから、シニアのほうがディグもサーブレシーブも精度が一枚上。

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更に言えば、その気になれば、ユースやジュニアの選手をシニアに吸い上げることが出来る。

木村沙織さんや宮下選手は飛び級でシニアに参加していた特待生。
エリート候補生である。

昨年のアジアカップ組からは長内美和子選手、中川美柚選手、入澤まい選手たちがステップアップを果たし、長内、中川選手はモントルーからネーションズリーグへステップアップを果たしている。

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中田監督は日本独自のテンポのバレーボールを追及すると標榜している。

基本線はそれでいいと思われる。


そもそも、日本人は頭がいいのである。

考えてもみよ。
例えばMLB。

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豪快で真っ向勝負、男らしいかもしれない。
実際、上半身の力と肩は圧倒的で、野手で成功したのはイチロー、松井、城島選手ぐらい。
国内屈指のスラッガーが何人も挑み、失敗している。同じ土俵で闘っても勝ち目はない。

また、緻密な日本のプロ野球に見慣れているファンからすれば、大味で余り面白くない。

ランナーが出ても送りバントひとつしなければ、ヒットエンドランも進塁打も打たない。

スクイズも犠牲フライも狙わない。
こんな力勝負の土俵で闘おうものならば、間違いなく勝てない。


バレーボールもそう。
ミドルとオポジットからのクロスやパイプが主体で細かいコンビネーションよりパワーと高さで圧倒する。

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元々クイックや時間差、回転レシーブなどは日本か作ったもの。

緻密さ、正確さ、ミスの少なさは日本の真骨頂。

ただ、海外のチームに真似をされたら体力差でかなわない。

だから、日本人は頭で更に先を行かなくてはならない。

日本はすべからくそうして大きくなった。

例えば自動車産業。

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頑丈で壊れず、大パワーな反面、燃費が悪く、大雑把な作りのアメ車に対し、丈夫で長持ち、低燃費のスパル360を持ち込んだ。

当時のアメリカにはこうした発想はなく、結果的に日本車の高燃費かつ細部に渡り使い勝手にこだわった高品質はアメリカを凌駕し、日本車は世界に冠たる高品質の代表となった。

発想は同じである。

同じ事をやっても勝てないのであれば、まず精度と緻密さを極限まであげ、最後は頭脳で勝つ。


男子バレーボールは女子の要素を取り込んでから強くなった。ならば、女子は男子の圧力を体感したり、新しい手立て、戦術を持ち込んで幻惑、圧倒する。


そう思う節は多々ある。


後は相手の虚をつく。

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日本には高さがないと思い込んでいる海外のチームは日本にブロックでやられたりすると動揺してセットを失うことがたまにある。

力で圧倒してくる相手はそれが通じなくなると意外に脆い。相手も人間である。盲点を突き一気呵成に攻めるのが上策。

いくさと考えは同じ。
2000の兵で7000の兵を迎え撃ち、撃退した上田合戦と同じだ。

相手の攻撃をまともに受けず、力を拡散させて虚をつき、反撃に転じて一気に突き崩し、だめ押しをする。

この具体的手立てをいくつ持てるか?
バレーボール頭が勝負だ。

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例えばその昔、眞鍋ジャパンの頃。打倒ブラジル対策としてジャケリネ選手を崩しに掛かった。

確か、ジャケリネ選手は左右の動きには対応出来るが前後の揺さぶりに弱く、そこをサーブで崩して下げさせることに成功した。

試合は敗れたものの成果はあった。

こうした成果と積み重ねが備わることで選手とチームは手応えを感じ、結果を以て自信に繋がる。


実際、あまり強かったとは言えなかった第二期眞鍋ジャパンと中田ジャパン、成績的には眞鍋ジャパンのほうがまだ上回っている。

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後は結束力。
眞鍋さんは幾ら戦術を突き詰めても、最後は選手たちの力、特に結束力は女子ならではの物と仰っていた。

今の全日本に足りないのは結果と自信。
第一期眞鍋ジャパンの時も、世界選手権でこうやれば勝てるということを実践し、選手も監督の手腕を信頼するとともに、結果が出たことで選手の目の色が変わったという。
それによって結束力も更にあがる。

残念ながら中田ジャパンはまだ、その領域に入っていない。

だから、オリンピックのメダル経験者である荒木選手や新鍋選手の力が必要となる。

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また、オリンピックの重責を背負った長岡、石井、島村、宮下、鍋谷選手たちの力もまた、必要となる。

経験値は宝だ。後は使う側の問題。

駒を何枚持っていても活かすか殺すかは指導者次第。時には非常に徹しなくてはならないし、どうしても必要な選手もいる。

その中から最良の組み合わせを選択する。
結果が出ていれは世間は何も言わないが、結果が伴わないとたちまちお家騒動だ。

そうでなくてもシニアはお金と時間を掛けている。
常に背水の陣だ。
それを幾ら選手に説いても、それだけで動かすのは難しい。

後は共通の利害で結束出来るか?
監督と選手の温度が同じにならないと、チーム力はあがらない。

だから、結果がいる。
そのための手立てがいる。

今年はその真価を問われる三年目の正直。
東京オリンピックまでは現体制でいくとしても、その先はわからない。

今は一蓮托生だが、未来のある選手も沢山いる。
バレーボール頭とチーム力が問われるシーズンだ。