2018年。
上々の滑り出しを見せた全日本男女。

ただし、実績のない男子に対し、マスコミ等は懐疑的な見られ方をしていたのは事実。

前年度の手応えから期待が高まった女子だが、苦戦が待っていた。



・2018年



・全日本男子

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柳田将洋キャプテン体制

・主な出来事

柳田将洋選手が新キャプテンに就任。
福澤達哉選手が全日本復帰。
スーパールーキー・西田有志選手全日本初選出。
大竹選手と二枚看板でネーションズリーグ大活躍。
6勝9敗で終えるも、アルゼンチン、イタリアを破り、アメリカに肉薄するなど成長をアピール。
韓国と親善試合。2勝を飾る。
世界選手権組(Aチーム)とアジア競技大会組(Bチーム)に別れて別メニュー。
アジア競技大会はカタールにフルセットの末敗れるも、インドネシアをフルセットの末に破り5位で終える。
世界選手権、アジア選手権組から小野寺大志選手を抜擢。
日本は第二次ラウンド進出を懸けてアルゼンチン戦で規定セットを落とし、予選敗退するも執念でフルセット勝ちを収め、勝ってシーズンを終える。
関田誠大選手が復活。藤井選手とセッター二枚体制の土台が確立される。



・出場成績
ネーションズリーグ2018:12位(6勝9敗)
国際親善試合(対韓国:2勝)
アジア競技大会(Bチーム:5位(4勝1敗))
世界選手権(17位(第一次ラウンド敗退:2勝3敗))

前年はベンチを温めることの多かった深津選手から柳田選手へキャプテンをあっさりスイッチした全日本男子。福澤選手の全日本復活でリーダーシップを執り、柳田選手がリリーフサーバーに回ることが多くなった。スーパールーキー・西田有志選手の台頭で全日本の風景が一変。故障で出遅れていた石川祐希選手の影が薄くなるほどの大活躍を見せた。
アジア競技大会組と世界選手権組を分けるなど機能的に活動。活躍者を世界選手権へ合流させるなど柔軟な人材登用を見せた。
世界選手権では格上相手に苦戦を強いられるも、格上のアルゼンチンからネーションズリーグに続き連勝を飾るなど、世界との差を少しずつ縮める。



・全日本女子

岩坂名奈キャプテン体制

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・主な出来事

長岡望悠選手がアジア競技大会から復帰。
福田康弘コーチ退任。寺廻太氏が強化委員長に就任。
田代佳奈美、今村優香、高橋沙織、芥川愛加選手が全日本復帰。
荒谷栞、中川美柚、中川有美、戸江真奈選手が全日本初選出。黒後愛選手が全日本初稼働。
石井優希選手が復権。
ネーションズリーグは軒並み苦戦。ポーランド、トルコら復活勢力に敗れ、7勝8敗で終える。
アジア競技大会を世界選手権の前哨戦として挑むも中国、韓国、タイとアジアのライバル全てに敗れ4位で終える。 
世界選手権、二大会ぶりに第三次ラウンドに進出するもイタリアに敗れて決勝ラウンド進出を逃し、アメリカに敗れ6位で終える。
古賀、石井、黒後選手のトリプルエースが活躍。
田代佳奈美選手が全戦スタメン出場。井上琴絵、小幡真子選手のリベロコンビが活躍。
石井選手は試合中盤以降からリリーフアタッカーで活躍し、8時半の女と呼ばれる。



・出場成績
ネーションズリーグ2018:10位(7勝8敗)
アジア競技大会:4位(4勝3敗)
2018世界選手権:6位(8勝5敗)

前年度の活躍から一転、苦戦を強いられた全日本。
ネーションズリーグでは新戦力抜擢が中途半端で結果も伴わず、東京オリンピックの予行演習的な参加でメダル獲得を期待されたアジア競技大会ではアジアのライバル全てに敗れる惨状。
文字通り背水の陣で臨んだ世界選手権ではサーブ、サーブレシーブ、ディグ、ブロックを究極にまで鍛え復活。長岡選手が本格復帰。第二次ラウンドでセルビアを破り、久々に第三次ラウンドまで進出するもイタリア戦でメダル獲得の望みを絶たれるも、全日本の底力を見せつけた。
ただし、新人選手は初年度登録のみ。完成された選手のみの優先起用。全体の高齢化など育成に関して疑問視する声も少なくなく、先行き不安を抱かせた。



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西田有志選手というスーパールーキーの登場、柳田キャプテン体制へのスイッチ、福澤選手の復帰など明るい話題の多かった全日本男子。特に西田選手の活躍はそれまで石柳こと石川、柳田選手が中心だっだ全日本の風景を一変させ、大いなる可能性を抱かせた。しかし、過去の実績に乏しいことから活躍が大きく報道されることはなく、世界選手権も男子はBS、女子は地上波生中継と扱いの差は歴然としていた。 世界トップクラスに肉薄するあたりに成長を伺わせたが、世界選手権の第一次ラウンド敗退により中垣内監督更迭論が持ち上がるも、協会側は否定。


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比較的楽観した雰囲気でスタートした全日本女子だが、ネーションズリーグが若手テストなのか勝ちたいのか中途半端な形で進み、7勝8敗と前年より成績ダウン。その危惧はアジア競技大会で露呈され、以後の活動に疑問視される声も少なくなかった。
その評価を覆した世界選手権。 
明るい兆しは長岡望悠選手の全日本復帰。
この大会で復活をアピールした長岡選手だが、翌年、イタリアリーグでの故障で戦線離脱。高い代償を支払うこととなる。
惜しむらくは第三次ラウンド進出を決めたブラジル戦。選手を試合に出したい気持ちからか、第三セット中盤以降不要な選手交代でブラジルの闘志に火に油を注いでしまい、フルセットの末に逆転負けを喫してしまった。あれがストレート勝ちだったら世界選手権のその後は変わっていたかもしれない。

 

男子はメダルゼロだったが、西田選手の台頭と福澤選手の復帰でチーム体制が固まり、チーム内の競争に火を付けた。また、キャプテンを柳田選手に変えたことで軌道修正が出来たことも後々大きく響いていく。また、西田、大竹選手という全くタイプの異なる二枚オポジットや関田選手の復権で、藤井、関田選手のセッター二枚体制が確立され、翌年の快進撃へと繋がっていく。

実績のない男子に比べ擁護的な女子だが、ネーションズリーグの低迷、アジア競技大会の惨敗と暗雲が垂れ込めた一年だった。世界選手権での活躍で何とか翌年に希望を繋いだかに見えたが、男子が少しずつ体制を固めつつある中で、キャプテン岩坂選手が活躍出来ないままキャプテン交代を決断出来ず、田代選手の活躍で解決したかと思ったセッター問題は翌年以降も続き、女子は迷走することとなる。  

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最終戦勝って笑顔で終えた男子と、負けて6位で終わった女子。ネーションズリーグやワールドカップでの成績が翌年、男女逆転するとはこの時点では誰も想像出来ないが、この2018年で僅か1勝差に迫っている。

女子の瞑想の予兆は2019年のフェルハトコーチ退任あたりから表れる(続く)