かつてミドルブロッカーが受難とされた時期があった。

第二期線眞鍋ジャパンの新戦術、MB1、そしてハイブリッド6の導入でアタッカーとミドルブロッカーの垣根はなくなり、アタッカーは全て
ひとくくり、パスヒッターとポイントゲッターに分類された。

これによりミドルブロッカーはサイドアタッカー経験者が優遇され、狭き門となった。

2014年、僅か2名の難関を掻い潜ったシンデレラガールは、紆余曲折の末全日本から姿を消し、Vプレミアリーグの2016/17シーズンにて新たな技を習得し、モデルチェンジして全日本に帰って来た。

NECレッドロケッツ・大野果奈選手。

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彼女は東レアローズの大野果歩選手の双子の姉妹としても有名。果歩選手の故障が癒え、今季はミドルのレギュラーとして活躍。
今季何度か実現した双子対決。

元々二人は名門・古川学園時代、ツインタワーとして春高準優勝、国体優勝と大いに活躍した。

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同級生には日立リヴァーレで活躍した佐々木美麗さん、デンソーエアリービーズの山田美花選手がいる。

元々サイドアタッカーだった大野選手。ミドルブロッカー転向を言い渡されたとき、悔しさのあまりに涙を流したそうな。

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それが結果として全日本での活躍の礎になったのだから、人生は面白い。

そんな大野選手の進路はNECレッドロケッツ。果歩選手は東レアローズで、それぞれ凌ぎを削ることとなった。

そんな大野選手が頭角を表したのはルーキーイヤーの2012/13シーズン。試合出場が増え、チームも躍進。レギュラーラウンドを1位で通過。優勝争いには届かなかったものの、続く黒鷲旗にて準優勝に貢献。将来を嘱望された。

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この活躍により2013年、新体制となった第二期眞鍋ジャパンに初選出。全日本の仲間入りを果たす。

そして2014年、前年のミドルブロッカーを一人削り、オポジットをミドルのポジションに起用するMB1の成功により、それを更に進化させたハイブリッド6の導入がこの年最大の話題となった。



大野選手はこの年、更に狭き門となった全日本に再び招集され、若手選手のふるい落としとなったモントルーバレーマスターズにて合格点を上げると、ミドルブロッカー僅か2名の難関を掻い潜り、続くワールドグランプリに参戦。

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ベテラン山口舞選手の全日本復帰とともにパンチある速攻とサーブで売り出した大野選手は、ワールドグランプリで銀メダル獲得に貢献。

しかし、ハイブリッド6は続く世界バレーで早くも頓挫。この年限りで姿を消す。

そのまま、全日本に定着するかに見えた大野選手にも受難を迎えていた。

迎えたVプレミアリーグ2014/15シーズン。
大野選手は思いがけない形で出場停止処分を受ける。喘息に用いた薬がドーピング検査に引っ掛かったからだ。
後半戦から復帰し、NECは久光製薬スプリングスの三連覇を阻む優勝を成し遂げる。

勿論、全日本にも招集され、モントルー・バレーマスターズ、ブラジル親善試合に出場。ワールドグランプリの登録メンバーに名を連ねるも出場は叶わず、この年は全日本から姿を消すこととなる。

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そんな大野選手が復活を遂げたのは、今季2016/17シーズン。
チームの課題であるサーブの特化に倣い、速いサーブにスタイルをスイッチ。一人時間差をマスターし、スキルに幅が増えた。

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特にコンビバレーのJTとの対戦で効力を発揮。NEC不動のレギュラーとしてレギュラーラウンド1位通過に貢献。ファイナル6も4勝1敗で堂々の首位通過を果たすと、まだ記憶に新しいファイナルでは、二戦ともフルセットとなる死闘を制し、見事完全優勝に大きく貢献した。



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この年の活躍が認められ、初のベスト6を獲得。まさに両手に花を携えての全日本復帰となった。

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初めての全日本の時とは違い、明確にスキルアップしての復帰。

荒木選手、岩坂選手、島村選手などライバルは強力だが、全日本経験者として満を持して臨む。

大野選手の新たな挑戦は、まだ始まったばかり。