日本のバレーは常に高さとの闘いに終始している。

結局あれこれ言っても全てはそこに根差している。

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時間差攻撃、ひかり攻撃、ブロード、サイドからの速い攻撃、そしてハイブリッド6。
全ては相手の高いブロックを掻い潜るため。

眞鍋政義さんも「高さがあれば、こんなバレーやらない」と公言しているように、一番考えなくてはならないのはこの一点。

日本は元々、ディグもレシーブもよく、高さが焦点になってきた。

実際、眞鍋さんの時代に掲げたスローガンが「サーブ」
「サーブレシーブ」
「ディグ」
「ミスを少なく」
この4点で世界一になろうとした。


日本にタイプが近く、高速コンビを売り物とするタイが、昨年、ワールドグランプリでロシアやブラジル、中国を相手に奮戦したが、最後は力負けしてセットを奪えずにいた。

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あれを思えば、コンビバレーだけで世界に立ち向かうのが難しい。


現在、中田久美監督は大型セッターに着手しようとしている。

これも高さ対策の一環だが、セッターが大型化するとオプションも考えられる。

ツーセッターだ。

考え方はハイブリッド6に近い。

ツーセッターは、セッターを二枚同時にコートインさせ、一方を前衛時にオポジットとして攻撃参加させる超攻撃シフトだ。

これまでコンビの熟成やセッターがアタッカーを兼ねる都合上、選手の育成に時間が掛かるため敬遠されてきた。

だが、アタッカー経験者がいるなら、それも問題ではない。

冨永こよみ選手だ。

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元々はアタッカーで今でも試合中にアタックを打つケースは多い。近年のVリーグではセッターがアタックを打つケースが多く、中大路選手も時折サウスポーから繰り出すアタックを打つ場面を良く見かける。

こうなってくると、宮下遥選手との組み合わせも面白い。

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二人とも身長がある上に宮下選手はレシーブの反応が良い。

何よりも、この戦術は、前衛がオポジットを務めるため、前衛三枚が攻撃参加出来るメリットがあり、セッターがツーアタックを打つ割合が高くなるため、ブロックを撹乱することが出来る。

更にセットアップも出来るパスヒッターとセッターが入れ替わってアタックを打ってこようものならば、誰が打ってくるか予測出来ない。

シーガルズで宮下選手と山口選手が入れ替わるあれがそうだ。

これに一人時間差や高速コンビまで加わったら、かなりの得点が期待される。

勿論、これは高さ対策のうちの一つ。

このツーセッターを更に進化させた形が作れるなら、冗談抜きに世界一が見えてくる。

今の段階で思い浮かぶのはこんなところだが、本気でやるならメンバーをある程度固定しないと難しい。

4年間ミッチリやって、果たしてどんな方向に進むか、それはこれからのお楽しみ。



そして、もう一つ。
リオデジャネイロオリンピックではアメリカ代表チームはグラス選手をはじめ、セッターを3人連れてきていました。

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もし、セッターがアタッカーを兼ねるようなことがあれば、そういう選択肢も…。