何となく目指す方向が見えてきた全日本。
低い速いパスからのトスでブロックを1枚ないし1枚半にすることで、被ブロックを少なくする。

これは、かつての眞鍋ジャパンがブロックが出来上がる前に打ち切る、サイドからの速い攻撃に対する、別な考え方だ。

ワールドグランプリを検証してみる

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・タイ戦:○3-2
ブロック 10 被ブロック13
サーブ得点:7 失点:5
(セッター:冨永、宮下選手
パスヒッター:古賀、石井選手)

・ドミニカ共和国戦:×1-3
ブロック6 被ブロック14
サーブ得点:1 サーブ失点:3
(セッター:冨永、宮下選手
パスヒッター:石井、鍋谷、新鍋選手)

・タイ戦:○3-1
ブロック9 被ブロック7
サーブ得点:8 サーブ失点:3
(セッター:冨永選手
パスヒッター:古賀、鍋谷、石井、新鍋選手)

・セルビア戦:×0-3
ブロック9 被ブロック22
サーブ得点:1 サーブ失点:3
(セッター:冨永、佐藤選手
パスヒッター:古賀、新鍋、鍋谷選手)

・ブラジル戦:○3-2
ブロック9 被ブロック7
サーブ得点:4 サーブ失点:5
(セッター:佐藤、冨永選手
パスヒッター:新鍋、内瀬戸選手)

・中国戦:×1-3
ブロック8 被ブロック16
サーブ得点:8 サーブ失点:3
(セッター:佐藤、冨永選手
パスヒッター:新鍋、古賀、内瀬戸選手)

・セルビア戦:○3-2
ブロック10 被ブロック13
サーブ得点:7 サーブ失点:3
(セッター:冨永、佐藤選手
パスヒッター:鍋谷、古賀、新鍋選手)

・ロシア戦:○3-2
ブロック6 被ブロック15
サーブ得点:7 サーブ失点:2
(セッター:冨永、佐藤選手
パスヒッター:新鍋、内瀬戸、古賀選手)


こうして見ると、二度対戦したチームとはいえ、二回目のほうが確実に良くなっている。

タイ戦では初戦ブロック10、被ブロック13に対し、二戦目はブロック9、被ブロック7と逆転している

セルビア戦では初戦ブロック9 被ブロック22、とかなりシャットされていたのがブロック10 被ブロック13とかなり向上している。

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序盤は試行錯誤なのでサーブレシーブが安定し、特に後半3戦サーブ得点が増え、安定感が増している。サーブが走ればブロックも増える。低いネット際から落ちるサーブが効果的。

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実際のプレイを見てみると、低く速いパスがセッターに入ると、相手ブロッカーはついていけてない。

中田監督はテンポということをしきりに仰っていたが、速いのに目が慣れてきたところで遅く、遅いのに慣れたところで速く。

こうしたメリハリひとつで相手を撹乱する。

これは冨永→佐藤選手、佐藤→冨永選手の交代でも変化を付けられる。

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また、冨永選手の場合、直接、或いはツーでアタックを打つケースが持ち味で、相手は予想外のタイミングでアタックが飛んで来るので面食らう。これもひとつの武器なのでどんどん打って貰いたい。

やはり佐藤選手はミドルとの速いコンビが武器。強気なトスアップだが、単調になるとつかまる点は課題。

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宮下選手の場合、場数を踏んでる分、次にどこへ上げるかが読まれている。昨年までのデータがあるので、今後工夫が必要。

今はまだ日本の手の内がわからないので上手く行っているが、いずれ研究され上手くいかない時期が来る。その時が出番。

その時までに如何にスキルを上げていくか。

いずれにしても、アジア選手権まであと一週間。
一度当たり、手の内がわかった中国、タイ、そして韓国とどんな試合を展開するか。

全てはこれから。