出生魚は躓いた。

これまで何度となく全日本の期待を背負ってきた。

ポスト竹下、最年少全日本の重圧。

大会を外れることも少なからずあった。


挫折することもあった。

だが、その都度這い上がってきた。

常にライバルは年上。
チームメイトも先輩ばかり
だが、見据えるは世界。


そう、世界一のセッターを見据えて。

宮下遥選手。



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普通のバレーボーラーが春高を目指し、高校進学を目指す頃、彼女は既に14歳と8ヶ月でVプレミアリーグのコートに立ち、15歳で全日本シニアに招集された。

言うなれば、飛び級である。


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世界最小・最強セッターのポスト一番手と目された彼女は常に第二期線眞鍋ジャパンの最前線にいた。



長岡望悠選手や大竹里歩選手は当時からの仲間。

年上ばかりで戸惑う中、初めて声を掛けてくれたのが長岡選手。いずれ全日本の中心となるよう、切磋琢磨していく。





ライバルも都度変わっていった。


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橋本直子選手。

中道瞳選手。

古藤千鶴選手。

田代佳奈美選手。



全部年上、Vプレミアリーグのライバルチームのレギュラーセッター。


そして今年も

冨永こよみ選手。
佐藤美弥選手。



相変わらず、年上がライバルなことは変わらない。

ただ、これまでと違うのは
宮下選手が一番
全日本経験が豊富だということ。



しかし、新体制となった全日本に
それは通用しない。



彼女にとって東京オリンピックを目指す
初めの年は試練となった。

チームは低くて速いトス。
レセプションアタックに力を入れる。
そして、ミドルとのコンビ。

ここでライバルたちに遅れを取る。

だが、焦ってことを構える必要はない。

あとは、自分自身で今の現状を考え
どうやって打破していくか?



恐らく、苦境を楽しむことが出来た暁には
何らかの答えが出るだろう。

それはもしかしたら、今年ではないかもしれない。 


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宮下選手は冨永、佐藤選手の三人の中で最も身長が高く、ディグもサーブも良い。

あとは課題のミドル使い。


ここをどうやって克服していくか?


課題が決まっている以上、そこから先は本人の努力次第。


監督は宮下選手と同じ
15歳で全日本入りした第一人者。

宮下選手の気持ちは
中田監督が一番良く知っている。



誰よりも厳しい監督だから
自らの腕と努力で納得させるだけ。

全日本の復権、岡山シーガルズの優勝。
やるべきことは多い。

どんな道筋を歩んでも
目指すのは、あくまで世界一のセッター。

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最後まで望みを捨てなかった者に
道は開ける。



何のこれしき、超えてやるさ。

未来は君の掌の中。