今年一年、全日本は男女とも
他国の代表監督を務めた外国人ヘッドコーチを招聘し、陣頭指揮を執った。

男子は元フランス代表監督
フィリップ・ブランコーチ

そして女子は
元トルコ代表監督
フェルハト・アクバシュコーチ。

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タイムアウト中の陣頭指揮は
殆ど外国人ヘッドコーチが行っていた。

久しく見られなかった
新しい全日本の姿。

結果として、全日本は
相応の結果を得た。


・全日本男子

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ワールドリーグ(グループ2) 準優勝

アジア選手権 優勝

世界バレー アジア最終予選 一位

ワールドグランドチャンピオンズカップ 6位


・全日本女子

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ワールドグランプリ(グループ1)  6位

アジア選手権 優勝

ワールドグランドチャンピオンズカップ 5位


こうして結果だけ並べると男女ともそれほど大差はない。

だが、最終大会となるグラチャンの結果で、男女の差が再び広がってしまったように、世間では見られている。

それは違う。

男女ともに大幅なメンバーの入れ替わりがあったが、ともに大きなスタイルの変化があった。

まず、男子。
石川、柳田選手をダブルエースとしたところまでは基本線一緒だが、メンバーはかなりのフルモデルチェンジ。

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セッター藤井選手と李博選手の東レラインと山内選手をセンター線の中心におき、本職ミドルの大竹、出耒田選手をオポジットに、小野寺選手をパスヒッターに転身。
本職リベロの浅野選手をパスヒッターに起用。サーブレシーブ対策に起用している。
 
出耒田選手のオポジット転身などはブランコーチの進言によるものだという。

まだ、アタッカーとしての経験が足りないので、駆け引きや打ち分けを覚えてくれば、日本屈指の高さが武器となり、身体能力差が問題ではなくなってくる。結果が伴ってくるのは2年後ぐらいだが、先行き楽しみ。


続いて女子。

女子もまたフルモデルチェンジ。

昨年から引き続き、全日本代表を務めるのは
古賀、石井優希、佐藤あり紗、宮下、佐藤美弥、田中美咲、長岡、内瀬戸、鍋谷、井上愛里沙、田中瑞稀、荒木、島村選手の13名と約半分。実際に今年の主力として闘ったのは7名と約半数。

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特に今年は中堅層以上の選手の積極起用が目立った。
中田監督の古巣・久光製薬スプリングスからは新鍋、岩坂、石井優希、長岡、野本選手と5名が抜擢。故障中の長岡選手を除く4名が主力として活躍した。

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主眼においたのが、低くて速いパスからのレセプションアタック。
サイドアウトを効果的に取るこの方法で日本は世界の強豪と互角に渡り合った。


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だが、タイムアウト中の陣頭指揮はフェルハトコーチが中心。中田監督はたまに声掛けに回る程度。

本人曰く、コート内外の温度差はかなりあり、選手の邪魔はしたくない。自分たちで考えないと世界では通用しない、との方針。
だが、それでも熱さが表に出る場面も少なくない。

フェルハトコーチも、元代表監督。
経験もあり、バレーの見方も違う。
そうした人が身内にいるのは大きい。
恐らく中田監督自身も学ぶことや、頼りにしている部分も多いだろう。

例のボールを落とさずぶっ通しで行うトレーニングもフェルハトコーチのアイデアとか。
故障者続出の局面を作ったがラリー中のしぶとさやスタミナ面はかなり効果を発揮した筈。

また、今季はブロックが機能したのは大きい。前に落とすサーブも効果的で一応の結果を得ている。

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あとは再三言われているラリー中、レフトに攻撃が偏ることと、バックアタックの本数。今年一年でセンター線がかなり使えるようになったので、あとはラリーで決め切るパワーヒッター、アタッカーの導入。

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今季は守備的アタッカーを中心に固い守りで活路を見いだすスタイルだったが、これに決定力が加わると鬼に金棒。
あとは守備力を含めたコート上のバランスの関係。

課題は多いが、女子のほうが成果を得ている。


出来れば、男子のように柔軟な配置がえが出来れば言うことなし。

男女異なるが得たノウハウのフィードバックが行えるのが好ましい。


男女それぞれ課題は異なるが、日本人監督と外国人ヘッドコーチによる体制は今回が初。

一応の成果は得ているが、ふたりの外国人コーチによって執り行われる国家プロジェクト。来年は第二期に入る。

来年はともに世界選手権。
まず、最初の真価が問われる。