時代が変わるときは、得てして抜擢が多い。

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古くは木村沙織選手。
彼女は下北沢成徳時代に全日本デビューを果たし、スーパー女子高生として脚光を浴びる。

ただし、当時はメグカナこと栗原恵、大山加奈選手や、高橋みゆき選手など中心選手がしっかりいて、日本の女子バレー界でも類稀な大型選手の時代。

本領発揮は眞鍋監督時代から。
エースとして、キャプテンとしてその持てる才能を開化。

サーブよし、アタックよし、レシーブよし。
三拍子揃った10年に一人のバレーボーラー。
オリンピック4回連続出場は木村選手のみ。

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その眞鍋監督に抜擢されたのは、江畑幸子選手。
当時、チャレンジリーグだった日立リヴァーレのエースに目を掛け、木村沙織選手とともにダブルエースとして活躍。

チャレンジリーグの選手が抜擢される例は極めて稀で、江畑選手はこの期待に応え、世界への道をひた走る。

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最大のハイライトはロンドンオリンピック準々決勝の中国戦。
江畑選手は木村沙織選手とともにチームトップの33得点を叩きだし、フルセットでの勝利に貢献。銅メダル獲得への道を切り開いた。

ロンドンオリンピックでの死闘は、江畑選手抜きでは語れない。


今年の全日本でも、男女それぞれにニュースターが誕生した。

男子では西田有志選手。

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西田選手は所謂、鳴り物入りの選手ではない。

海星高校時代は春高出場は一度もなく、2017年のインターハイだけ。
それでも、その俊才ぶりからU-19 アジアユース選手権に出場しチームの優勝に貢献した。

最後の春高に出場出来なかった鬱憤は、Vリーグのコートで晴らされ、1/6、内定選手として出場した堺ブレイザーズ戦で高校生デビュー。この時決定率70%という高い数字を弾き出し、その翌戦のJTサンダースとの試合では26得点をマークし、一躍、スーパー高校生として脚光を浴びる。

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この時の活躍がきっかけで、現在、全日本男子のオポジットとして活躍しているのはご存知の通り、今や世界を駆けるスーパー18歳である。

抜擢といえば、この選手もそうだ。
古賀紗理那選手。


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熊本信愛女学院高校時代から、ポスト木村沙織の呼び声高かった古賀選手は、2013年、第二期眞鍋ジャパンのメンバーに名を連ね、その年のイタリア四ヵ国対抗で全日本デビューを果たす。

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脚光を浴びたのは古賀選手の高校卒業を待つように参加した2015年のワールドグランプリ。当時高校生の宮部藍梨選手とともに国内デビューを果たし、活躍すると、ワールドカップにも抜擢。日本のエースの一角として大ブレイク。
リオデジャネイロオリンピック出場を逃すも、今や全日本でエースとしての道を歩んでいる。


そして、もうひとり。
今年ようやくチャンスを掴んだ大器・黒後愛選手。

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下北沢成徳時代からいずれは全日本の呼び声高く、春高二連覇の輝かしい実績を持って東レアローズに入団。この2017年全日本に登録。この年は世界ジュニア選手権に出場しエースとして活躍、見事銅メダルを獲得。東レでは開幕からスタメンに名を連ね、堀川、ケイディ選手とともに三本柱の一角として攻守の要で活躍、新人王に輝く。

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実績を積んで駒を進めた2018年、ネーションズリーグの終盤から主力として活躍。次期エース候補として存在感をアピールした。

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得てして、チームが躍進する時は新戦力の台頭が必要不可欠で、その存在がチームを切磋琢磨し大きなカンフル剤となる。

西田選手の出現でチームに火がついた全日本男子。黒後選手の活躍でチームに勢いがついた全日本女子。


「抜擢」

この二文字が、チームの明暗を左右し、そして大きなうなりとなり、道を切り開く。

それは、いつの時代も変わらない。
大衆は常に、英雄を求めているのだから。