2018年の全日本は、まさに産みの苦しみだった。

昨年の好感触を受け、スタートした2018年シーズンだったが、新設のネーションズリーグは苦戦続き。

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強豪国で勝ったのはイタリアにフルセットのみ。タイ、ドミニカ共和国にもフルセットであわやのところまで追い詰められ、ポーランド、トルコと言った復興勢力にまで敗れる有り様。

その後の苦戦を予感させるものだった。

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事実、世界選手権の前半戦と位置付けられたアジア競技大会では韓国、中国、タイに全て敗れる近年にない危機的状況にまで追い詰められ、一時は進退問題にまで波及した。

文字通り背水の陣で臨んだ世界選手権では、サーブ、ブロック、ディグ、そしてサーブレシーブの強化の効果もあり、第二次ラウンドではセルビアを破り、ブラジルにはフルセットの末敗れたものの、第三次ラウンドまで進出。

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セルビア、イタリアにはフルセットの末敗れるも、ベスト6に名を連ね、アメリカに敗れるも6位で大会を終えることとなった。

特にディグとブロックの進歩は目覚ましく、来年への希望を繋いだが、結果だけ見れば及第点。(2014年世界選手権は7位)

微速前進、といったところ。

問題は来年である。

最大の目標はワールドカップ。
元来、オリンピックの出場権が懸かる同大会だが、東京オリンピックが日本開催であり、ワールドカップの実施意義や公平性、さらに日本の出場意義を踏まえ、今大会はオリンピックの出場権が削除。

純粋に三大大会のひとつとして競われる大会となった。

世界選手権と違い規模も縮小。
日本の恒久開催を謳い文句としている以上、この大会は現体制の成否が問われることとなろう。

既にネーションズリーグの詳細も異例の早さで発表され、早くも来年に向けての土台作りが進められている。


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来年2019年は、東京オリンピックまで最後の年。

元々、中田監督はワールドカップで試す、ということを名言していた。
OQTが免除となると、当然、ここを目標に2020年を目指してくる。


今季はじめて、セッターを田代選手に固定し、世界選手権を闘い抜いた。

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また、レフト古賀選手をエースに、ミドルは荒木、奥村選手を、リベロは井上、小幡選手を固定。

原則、このメンバーが今後の根幹となるだろうし、来年、若干の入れ換えもあるだろう。


セッターもセカンドセッターを巡る人選が残っている。

ミドルもオリンピックまでに3名にする可能性が高い。

リベロはどうする?

難しい選択が残っている。

オリンピックが従来通りなら12名だ。
他の国際大会と違い2名少ない。

その段階でどこを優先するか、という問題もある。


仮に2018年時点での仮想オリンピックメンバーを考えると…。

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S:田代佳奈美選手

WS:古賀紗理那選手、石井優希選手、黒後愛選手

OP:長岡望悠選手、新鍋理沙選手

MB:荒木絵里香選手、奥村麻依選手

L:井上琴絵選手、小幡真子選手


まだ、定員が埋まっていない。

セッターは田代選手以外は今後の成り行き次第。ミドルは荒木、奥村選手以外、今後の成り行き次第。リベロはサーブレシーブとディグでわかれており、役割が違うので単純比較は出来ないが、これだけ高水準だと甲乙つけがたくレシーバーとしての起用もあり得る。
 
勿論、どちらかを削る選択もあり得る。

これとて、全ては仮の話である。

ミドルも島村、岩坂選手による争いになるかと言えばそうとも限らない。

島村選手には実績があり、岩坂選手はキャプテンだが、ともに今季の出場機会が少なく、まず活躍の場がないと今後が難しい。

岩坂選手はキャプテンということもあるが、結果が求められる時期に入ってきた。
以上を踏まえて、リーグでは久光のキャプテンにもなり、相応の結果が求められる。

勿論、島村選手もしかり。


サイドも奮起が求められる。

世界選手権では主に後衛の守備固めとして起用された内瀬戸選手しかり、今季世界選手権への出場を逃した鍋谷選手しかり、今年は顔見せ程度に終わった井上愛里沙選手しかり、アジアカップで活躍した荒谷栞選手しかり、中川美袖選手しかり。


まず、リーグで活躍して、名乗りを上げる必要がある。

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何よりも前述の仮想メンバーもまた、必ず来年そこにいるとは限らない。

だから、競争なのだ。

海外では既にリーグが開幕しているところもあるが、国内は今週末から。

ますは、それぞれのフィールドで活躍することが先決。

5ヶ月は短い。
果たして、来年はどんなラインナップとなるか、それも含め、V-leagueにも注目していきたい。

あと二年、刮目せよ。












※今回を以て「全日本女子バレーボールの今日、そして明日 〜東京オリンピック編〜」の2018年におけるブログ活動は、原則終了となります。

ただし、全日本関連のニュースや国際大会については、随時更新いたします。本格的な活動再開は来年の全日本人事発表前後となります。

以後、オフシーズンに関しては「彼女はバレーボーラー」をメインに活動してまいります。その旨ご理解のほど、宜しくお願いいたします。