どうもおかしな危惧は間違いではなかったようだ。
中国に勝ったとは言っても、リ・エイエイ選手が出場してはいるものの主力温存の中国。
仮にも日本は関選手を除き、昨年の世界選手権で上位に進出した主力メンバー。
言うなれば侍ジャパンとアメリカの3Aで闘っているようなもの。この時点で本気モードで闘う意味がよくわからない。
事実、タイがイタリアに3-1で勝っているが、こちらもエゴヌ、シッラ選手たち主力はいない。
勿論、勝つに越したことはないが、それでも飛車角落ちで勝ってもたいした自慢にもならない。
本来、モントルーはナショナルチームの仕事始めのような大会。
ここは単なる肩慣らしにすぎない。
もっと言えば、ネーションズリーグですらテストの場。
毎回フルメンバーで挑むタイは別だが、日本がこの時期にガチメンで挑むのは異例のことだ。
それだけ余裕がないのか、悲壮な決意か。
意図はある。
ガチメンの中に関選手が入って、どこまでやれるか試したかったのだろう。
実際、関選手は大任を果たしたが、それでもまだ、トライアウト一次試験合格という段階。
変化があったといえば、不在の荒木選手に代わり岩坂選手が加わったぐらい。
問題は、全日本女子バレーボールチームがこのあとをどう闘うか?
さすがに全戦ガチメンではこの後のネーションズリーグの長丁場が持たない。
よもや中田監督は全日本をタイのようにしたいのだろうか?
タイのナショナルチームは同じメンバーで10数年以上闘っているので実戦慣れをしている。
また、家族のような関係なのでディグもコンビも付け焼き刃ではなく、筋金入り。
どうやら、このモントルーはタイとの一戦で真価が問われそう。何故なら日本以外でガチメンはタイぐらいだろうから。
ただ、この時期に本気モードで闘うなら、今年も若手選手は宝の持ち腐れになりそうな危惧があるが…。
モントルーのメンバーは以下の通り。
※日本バレーボール協会のホームページを参照→https://www.jva.or.jp/index.php/international/2019/montreux/member
※montreux Volleymastersの公式ホームページを参照→http://www.volleymasters.ch/en/competition/teams/jpn%20japan/players
実際、ファンが気にしているのは勝ち負けよりもっと大事なことがある。
誰が出場して、どんな内容の試合になったのか?
全てはそこである。
ナショナルチームが編成されて間もない時期。
どこのチームも錆び付いていて、これから油を指し動かしていく。
主力を温存するチームもあれば、大幅な入れ換えを行うチームもある。
様子見の大会なので、結果は二の次。
誰が使われ、誰が出て来て
各国の様子はどうか?
次へのステップを切り開くか?
所謂、様子見の大会。
そんなモントルー・バレーマスターズは、例年、ナショナルチームの仕事始めたる大会という性格が強く、招集された各国のチームの試運転的な大会に位置する。
昨年はネーションズリーグ初年度ということに加え、開始時期が早かった影響もあり9月初旬に実施されている。
・開催期間
2019年5月13日(月)~18日(土)
・開催地
モントルー(スイス)
・参加チーム
・A組
中国、ドイツ、日本、ポーランド
・B組
イタリア、スイス、タイ、トルコ
・試合方式
参加8チームを4チームずつA・Bの2組に振り分け、各組で1回総当たり戦を行って順位を決定。
各組の4位同士で7-8位決定戦、3位同士で5-6位決定戦を行う。
上位2チームずつでセミファイナルラウンド、ファイナルラウンドを行い、最終順位を決定する。
ちなみに、モントルーは過去、ロンドンオリンピックの前年となる2011年に優勝、リオデジャネイロオリンピックの前年となる2015年に準優勝と、節目の時期に好成績をあげている。
また、眞鍋ジャパンでは年度別にメンバー構成が変わっており、若手選手中心のBチームでの参加もあれば、主力を参加させて本腰を入れる年度もある。
ただ、ひとつ書き忘れたことがある。
2011年に日本がモントルーで優勝した時、主力の多くが参加してはいるものの、木村沙織さんや竹下佳江さんは休養している。
今年は中田ジャパン初参戦にして来年は東京オリンピックを控えている。
この時期にガチメンで闘う理由もあまりないので、若手選手中心のテスト的な舞台として用いられることが予測される。
国際大会とは言っても、この時期はまだオープン戦のようなもの。
まるで明日をも知れぬ悲壮感と危機感を植え付けているような初戦であった。
このあと全日本女子バレーボールチームがどういうスタンスで闘うのか、むしろそちらのほうが気になる。
・初日の対戦カード
・5/14
(時差7時間:日本が早い)
23:30〜
ドイツ
2-3
(21-25 9-25 26-24 25-22 9-15)
○中国 1敗
・ベストスコアラー
ルイーザ・リップマン選手(ドイツ)
29得点
1:45〜
スイス 1敗
1-3
(24-26 19-25 25-15 14-25)
○タイ 1勝
・ベストスコアラー
マジャ・シュトルク選手(スイス)
18得点
4:15〜
○ポーランド
3-1
(25-15 19-25 25-21 25-19)
日本 1勝
・全日本女子バレーボールチームのスターティングメンバー
・レフト:今村優香選手、黒後愛選手
・オポジット:石井優希選手
・センター:岩坂名奈選手、渡邊彩選手
・セッター:関菜々巳選手
・リベロ:山岸あかね選手
レフトに今村選手、ミドルに渡邊選手を起用してきた全日本。
昨日同様、古賀、宮下、中川選手はベンチから外れている。
第一セット、ポーランドのクイック、ライトからのクロスでブレイク。黒後選手のレフトからのアタックで切ると、ポーランドはクイックで応戦。ポーランドは石井選手のライトからのアタックアウトから、レフトからのクロス、黒後選手のライトからのアタックがアウトで6-1とポーランドリードで日本タイムタウト。石井選手のレフトからのアタックがブロック、ポーランドのライトからのインナークロス、レフトからのブロックアウトで8-1と大きくリードされる。
今村選手のレフトからのアタックがアウトとなり10-1と大きく離される。黒後選手のライトからのアタックがブロックされ11-1。ポーランドサーブアウトでようやく2点目。ポーランドはスマジェク選手のライトからのクロス、日本お見合いで失点。黒後選手のライトからのブロックアウトで3点目。ここで佐藤、長内選手を投入。ポーランドレフトからのクロスで3-14。長内選手のレフトからのクロス。ポーランドはスマジェク選手のバックアタックを決めるも、渡邊選手のクイックとようやく起動にのる。ポーランドレフトからのクロスで16-5と大量リード。
ポーランドサーブアウト、ポーランドブロックも、長内選手バックアタックで9-19。石井選手のフェイントがブロックされる。長内選手レフトからのブロックアウト、ポーランドアタックアウトもブロードで切り返す。今村選手のレフトからのアタックアウト、長内選手ライトからのクロス、ライトからの足の長いスパイクでブレイク。ポーランドアタックアウトで14-22。長内選手のライトからクロスがブロック、ポーランドサーブアウトで15-23。今村選手のレフトからのアタックがブロックされポーランドセットポイント。最後は今村選手のアタックがブロックされ25-15でポーランドが先制する。
引き続き佐藤、長内選手をスタートから起用する全日本。
第二セット、スマジェク選手のアタックでスタート。ポーランドのフェイント返せず0-2。今村選手のライトからのアタックがブロック、ポーランドのクイックで0-4と引き続き苦しい立ち上がり。日本は長内選手のブロックアウトで切ると、長内選手のライトからのクロスでブレイク、ポーランドのアタックミスで3-4に詰め寄る。ポーランドはスマジェク選手のレフトからのストレートできると、岩坂選手のクイックで応戦。渡邊選手がクイックをブロックし5-5の同点。岩坂選手のサーブアウトも渡邊選手のダイレクトでリカバー。ポーランドがレフトからのアタックでラリーを制す。石井選手のレフトからのストレートで切り7-7。ポーランドのレフトからのアタックがアウトとなり8-7と日本リード。
石井選手のバックセンター、今村選手のレフトからのショートで10-7。石井選手のサーブアウトから今村選手のレフトからの足の長いアタックでリカバー。スマジェク選手のアタックアウトで12-8とリードを広げる。ポーランド、ブロードで切ると、今村選手のレフトからのインナークロス、長内選手が押し合いを制し14-9でポーランドタイムタウト。
今村選手のレフトからのフェイント。石井選手サーブアウト、ポーランドサーブアウトで16-11で日本リードで終盤へ。
ポーランドフェイントで切ると、サービスエースでブレイク、長内選手のライトからのブロックアウトで切ると、しつこくブロックタッチをとり長内選手のライトからのブロックアウトでブレイク。ポーランドはレフトからのクロスで切るとサービスエースさらにレフトからのクロスで18-15とし日本タイムタウト。
石井選手のレフトからのアタックで切るも長内選手のサーブアウト、渡邊選手のブロックでリカバーするも石井選手のサーブアウト、今村選手のレフトからのアタック、石井選手のバックセンターでブレイクし22-17でポーランド二回目のタイムタウト。
ポーランドネット際の押し合いを制し23-19。岩坂選手のクイックで日本セットポイント。最後は長内選手のライトからのクロスで制し25-19で第二セットを取り戻す。
第三セット、ポーランドが押し合いを制すなど3点先制。ポーランドのサーブアウト、クイックなどで4-2と先行される。日本は石井選手のレフトからのストレートで切るも、ポーランドはクイックで応戦。ポーランドタッチネットから日本ブロックでブレイクし6-6。今村選手のブロック、石井選手のバックセンターで8-6と逆転。渡邊選手のブロックで9-6としポジションタイムタウト。
ポーランドダブルコンタクト、渡邊選手ブロードで11-6とリードを広げる。今村選手のアタックアウトもポーランドはレフトからのクロスで切る。今村選手のレフトからのアタック、ポーランドはライトからのクロス、今村選手のレフトからのクロス、ポーランドはレフトからのブロックアウトとライトからのクロスでブレイク、途中出場の芥川選手のクイックで切ると、ポーランドがライトからブロックアウトを取るも、芥川選手のブロックで応戦。ポーランド、ライトからのクロスで13-15とするも、日本は長内選手のライトからのブロックアウトで16-13とリード。
長内選手サーブアウト、佐藤選手がブロックを引き付けてからの石井選手のレフトからのブロックアウト、石井選手サーブアウト、今村選手のレフトからのブロックアウト、ポーランドのアタックアウ、今村選手のレフトからのクロスで20-15とリードし、ポーランドタイムタウト。渡邊選手のサーブアウト、ポーランドのサービスエースで17-20。今村選手のアタックのブロックタッチと認められず、20-18で日本タイムタウト。ポーランドのレフトからのアタック、ライトからのブロックアウトで20-20。今村選手のレフトからのアタックがブロックされポーランドが21-20と逆転し日本二回目のタイムタウト。ポーランドサーブアウトもフェイントでリカバー、長内選手のクロスが連続シャットされ21-24とポーランドセットポイント。最後はポーランドのレフトからのクロスが決まり、25-21でポーランドが逆転で第三セットを奪い、王手を掛ける。
あとがない日本、引き続き芥川選手を起用。
ポーランド2点先行から芥川選手のクイックで切る。石井選手のレフトからのストレートがアウト、ポーランドサーブアウト、ポーランドのクイック、サービスエースでブレイクも渡邊選手のクイックで切る。長内選手のアタックアウト、ポーランドのフェイント、スマジェク選手のライトからのクロスで3-8とされ、日本タイムタウト。
石井選手のレフトからのブロックアウトで切ると、今村選手のレフトからブロックアウトで続き5-8。石井選手サーブアウト、今村選手のレフトからのアタックがブロックされ5-10。渡邊選手のブロードもポーランドのレフトからのティップ。芥川選手のクイック、長内選手のライトからのクロスでブレイクし8-11。ポーランドのレフトからのストレート、長内選手のレフトからのストレート、鍋谷選手を投入。芥川選手のブロックでブレイク。ポーランドはライトからのストレートで切るとバックセンターでブレイク。石井選手のフェイントで切ると、スマジェク選手のライトからのクロスを石井選手が一枚でブロックし12-14でポーランドタイムタウト。ポーランドはスマジェク選手のライトからのクロスで切ると長内選手のライトからのクロスをブロックし16-12とポーランドリード。
日本は渡邊選手のブロードで切るも、石井選手のプッシュがネットを超えず、ポーランドのサービスエースで13-18とし日本タイムタウト。再三のネット際の攻防を決めきれずポーランドのレフトからのクロスで競り負けるも、ポーランドサーブアウトで15-19。渡邊選手のライトからのアタックがブロック。鍋谷選手がレフトからのティップで切るも、ポーランドはスマジェク選手のバックライトで応戦。芥川選手のブロードで切ると、石井選手のサーブアウト、この日多し。ポーランドはこれをサービスエースで切り返すも、サーブアウトで17-23。鍋谷選手のサービスエースでブレイク。ポーランドはクイックで切り、マッチポイント。ポーランドのアタックアウト、最後は芥川選手のサーブアウトで19-25でポーランドが取り、3-1でポーランドが制しました。
・ベストスコアラー
アグニェシェカ・コンコレフスカ選手(ポーランド)
マルヴィナ・スマジェク選手(ポーランド)
20得点
敗れましたが見所の多い試合でした。
第一セットは立ち上がりに攻めこまれワンサイドでしたが、途中出場の佐藤、長内選手が活躍。佐藤選手がゲームメイキングをし、第二セットを奪い返し、今村選手も息を吹き返しました。
惜しむらくは第三セット逆転負けを喫した辺りですが、若い選手はまだ勉強中ですし、どんどん積極起用する時期だと思います。
渡邊選手も芥川選手も、山岸選手も、鍋谷選手もそれぞれ持ち味は出せていると思います。今の時期に膿を出さないと後になってからでは間に合いませんし、選手の適応力も相手のデータ収集も行わなくてはならないので捨て石のつもりでどんどん試して貰いたいと思います。
強いていえば石井選手のサーブアウトが多く、昨日に比べると今日は割り引きでした。不馴れなライトですが中心になってもらわないと困る選手なので、もう一段上がって貰いたいと思います。黒後選手は途中交代となってしまいましたが、まだまだ伸び代が沢山ある選手です。めげずに頑張って貰いたいです。
日本のベストスコアは長内選手が14得点、今村選手が13得点、石井選手が11得点、渡邊選手が9得点とますまず、芥川選手も途中出場ながら5得点。
佐藤選手のゲームメイキングも光りました。
関選手は苦い二戦目となりましたが、まだこれからです。
1勝1敗ですが、使わなければ良いところも悪いところも分かりません。幾ら練習しても実戦は話が別。勝ち負けよりもパフォーマンスに拘り、伸び伸びやって貰いたいと思います。
頑張れ、ニッポン!!
※結果は随時、更新いたします。
コメント
コメント一覧 (10)
まだ、各国とも肩慣らしなんですね。
でも、これで勢いと自信がついて、ネーションズリーグでは、頑張って欲しいですね。("⌒∇⌒")
主力はこれからゆっくり上げていく段階で、出てくるのは早くてもネーションズリーグから。
それも決勝ラウンドぐらいからもあり得ます。
通常、この時期は若手選手のテストで、チームは活動が活発化するにつれ主力を投入し、チームを融合させます。
今の日本にはその余裕すらないのか、心配ですね。
詳細な記事ありがとうございます。
関選手以外がガチ主力で占められているのは、
やはり、関選手をより現実的な環境で見極めたかったんでしょうね。
全日本にとって一番肝心なセッターを優先して決めたいですもんね。
(ॱ ॄॱ ๑)ってことは、ポーランド戦は、
宮下選手+ガチ主力メンバーって事もあり得ますね。変えても黒後選手と古賀選手を替えるくらいで。
全体を変えちゃうと誰がチームにプラス要素を生み出しているのか、判断しづらいでしょうから、
こーゆーやり方もありかも。
今日は朝4時からの試合はさすがに辛いので、
夢の中で妄想します!
今日は今村、渡邊選手がスタメンです。
先程ポーランド戦見返しました。
長内選手はディグもよくあげれてたし、スパイクも決めててよかったと思います!
渡邊選手もワンチかけたりブロードも決めてたりといい動きでしたね。
何より3セットが悔しくて、(笑)
惜しむらくは第三セットを押し切れれば日本ペースだったところですね。勝てそうな試合でもあったので残念です。
この時期は勝ち負けよりもパフォーマンスのほうが大事なので、伸び伸びやってもらいたいです。
第1セット二枚替えする前の
3-14の展開は((유∀유|||))
大きな大会ではお目にかかれない程
見事なワンサイド。
思いのほかポーランドが凄い勢いでスタートを
切ったから、日本のディフェンスが温まる前に
ガンガンきて全く拾えないし、ブロックにかかるし、スパイカーにプレッシャーがかかって決まらない。悪い連鎖にハマっちゃいましたね。
あそこで、流れを変えるために、
セッターとパスヒッターの二枚替え。
大きな大会ではあまり見ない形の選手交代。
誰も決まらない中、一番ボールが集まっていて、迷いはじめた感があった黒後選手と、
黒後選手にボールを集める傾向が強い関選手の
2枚。東レライン。
見事に流れが変わった、コート内が落ち着いた。
僕には、流れが変わった要因は分かりませんでした。外された関選手と黒後選手は、この試合から何かを学べたのだろうか?
長内選手、まるでVリーグで試合しているかのよーな伸び伸びしたプレイで、古賀選手や黒後選手とは全く違うタイプのアウトサイドヒッターだけに面白く、対戦相手によっては、前述2人より爆発する場面もありそうですね。
しかし、モントルーの公式サイトの日本チーム紹介ページの写真にも、古賀選手、宮下選手、中川選手がいませんね。3名はモントルーでは見れないんでしょうか。寂しい
(((; ఠ ਉ ఠ))さっき、間違えて、書いてる途中でコメント送信してしまったかもしれません、すみません。
絶筆になっていたので消しときます。
翌日に残らない程度にちゃんと寝て下さいね。
正直、まだ始動まもないので勝ち負けはあまり気にしなくていいと思っています。
ただ、第三セットを取っていれば勝てる試合なので惜しかったです。
長内選手と佐藤選手の日立コンビ良かったですね。
いや、モントルーの公式にも17名いますよ。
ドイツ戦は3-1で勝ちました。
決勝ラウンドにすすむことになりましたが、3選手を使うかどうか、あとは中田監督の裁量次第です。
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さんログアウト
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