女子は広島で合宿中。
井上、田代、荒木選手たちが合流し、アジア選手権からワールドカップへの人選というか、ふるい落としが始まっている。
合宿メンバーが比較的多いので、実戦形式の練習が多く出来る。
ネーションズリーグでは昨年いなかったメンバーが何人か出場した。
そこで2019年前半戦の収穫について、考えてみる。
最大の収穫は石井優希選手の目処が立ったこと。
ネーションズリーグでは常にチームの中心として闘い、チームトップの得点を収めた。
まだ純然たるエースと呼ぶには及第点だが、課題だったコンスタントに活躍するという点はクリアした。
特に目だったのは持ち前のスイングスピードの速さのみならず、スピードを殺した巧打が増え、攻撃のバリエーションが増えた。
古賀紗理那選手が故障開けで出番が少なかった穴を埋めた。
黒後愛選手はややムラがあるも、ここぞというときの勝負強さが光った。
昨年が実質初年度で今年はリーグで活躍した実績もあり、昨年よりもパフォーマンスが上がっている。
黒後選手はサーブもよいので、前で後ろで活躍した。
古賀選手は故障開けで出番が少なかったが要所でエースらしさを見せた。特に中国戦でのサイドアウトの応酬は見応えがあり、エース古賀紗理那の片鱗を見せた。
これからコンディションをあげていき、ワールドカップではベストパフォーマンスを見せたい。
ネーションズリーグではエース三人衆を中心にパイプの多さも目だった。
サイドアタッカーでは復活の鍋谷友理枝選手と初参戦の長内美和子選手が目だった。
鍋谷選手はレフトでもライトでも起用され、持ち味のスピードでサーブで活躍した。
今年は長岡選手がいないので新鍋選手とともにライトで闘う選手がほしい。その意味からすれば鍋谷選手の復活は大きい。
新鍋選手の安定感は抜群であることは言うまでもない。あとは怪我なくコンディション調整が上手くいくことだけ。
昨年は世界選手権の出場を逃した鍋谷選手。古賀選手同様、コンディションに気をつけてワールドカップへ駒を進めてほしい。
後半は出番の少なかった長内選手だが、持ち前のパンチ力とジャンプサーブは見応えがあった。
鍋谷選手同様ライト起用もあったが、持ち味は所属チームの日立リヴァーレのスピードバレー。
パスヒッターでまだあまりデータを取られていないのでこれからが楽しみ。
その前半戦の司令塔として闘った佐藤美弥選手。
こちらも昨年は故障もあって世界選手権出場を逃している。
持ち味は高速コンビだが、途中からミドルの打数が減少傾向にあり、ややレフトに片寄るなど課題も残った。
この合宿では締め直しを図る。
随所で度胸のよさを見せた関菜々巳選手。
ツーアタックが多いのも特徴で、普段通りのプレイを見せた。
将来性は抜群で、いずれ頭角を現すだろう。
コンディションの関係で出番が少なかったという宮下遥選手。スタメンは終盤の韓国戦のみと少なかったが、残念ながらトスアップのほとんどがレフトに偏り本領発揮とは言えなかった。
実戦投入がリリーフサーバーと二枚換えがほとんどで、正直、これだけではわからないというのが本音。
引き続き抜擢があるか、注目したい。
ミドルブロッカーで目だったのは芥川愛加選手。
実質二年目で安定したパフォーマンスが光った。
渡邊彩選手はスピードが身上。
課題は相手のランクや高さが上がって通用するか?
岩坂名奈選手は試していたブロードの本数が増え、成長が伺えた。持ち味はブロック力とサーブなのでここで課題の攻撃力が加わると、というところ。
奥村選手は芥川選手の積極起用もあり控えに回るケースも多かったがパフォーマンスに安定感か加わった。
ネーションズリーグではミドルの活躍がやや地味だったので、パイプを活かす意味でもコンビの立て直しが求められる。
最後にリベロ。
小幡選手の成長が顕著で課題のディグでもパフォーマンスが上がってきている。
小幡選手の成長には先輩の井上選手も心中穏やかではないかもしれない。
山岸選手も得手はサーブレシーブだが、ディグでは小幡選手が目だった。
井上選手も得手はディグなので、東京オリンピックに向けてそれぞれが自らの技を磨き、苦手をどう克服するか?
ここは競争だ。
どのみち、東京オリンピックは土壇場でルール改定でもない限り恐らく12名。
リベロとミドルは特に狭き門。
果たして最終形態はどうなるか?
これからは一戦一戦が勝負だ。
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