中田ジャパンが3年目を迎えた。

観戦している人の多くが「次こそは良くなる」
そんな期待感を寄せつつ、今日を迎えている。

出だしこそ悪くなかった分、余計にその期待が大きい。


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それはわかる。
だが、実際のところ、世界選手権での奮闘がなかったら、この二年間は実にパッとしない。

目新しかったのは、低くて速いレセプションアタック。そこまでで、あとはサーブ、サーブレシーブ、ディグ、ブロックを徹底的に鍛える。
そして、パイプを強化する。

そのぐらいである。

眞鍋ジャパンがオーソドックススタイルに戻して、コンビやパイプが減っていた分を元に戻した。

そこまではいいが…。

始めの頃良かったミドルブロッカーもこのところ本数が減りつつあり、今のところ、目新しいものはあまり感じられない。

それでも、川渕三郎氏曰く、男子よりはやや期待が持てるらしい。

とは言え、バレーボールが期待薄という評価なのは変わりないのだが…。


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眞鍋ジャパンの場合、第一期では世界選手権で銅メダル、ワールドカップでも4位と「いけるかもしれない」の機運が高まった。

第二期はグラチャンで銅メダル、アジア選手権で銀メダル、ワールドグランプリで銀メダルとそれなりの結果は出ている。また、古賀、宮部選手の台頭で全日本へ一気に新風が巻き起こった。

中田ジャパンはというと、今のところ獲得タイトルアジア選手権の金メダルのみである。

やや停滞しつつある全日本に新風が巻き起こるとしたら新戦力の投入である。

現在、今年の新戦力で合宿参加中は渡邉彩選手、長内美和子選手であるが、ワールドカップで大ブレイクはあるか?

芥川、宮下選手にとってはアジア選手権までが序盤の勝負だ。

井上、田代選手の合流でセッター、リベロの争いも激化する。

宮下選手や井上選手はディグが良く、運動能力の高さはピカイチ。

佐藤美弥選手と昨年の世界選手権のレギュラー・田代佳奈美選手に挑む宮下選手。

成長著しい小幡真子選手と井上琴絵選手。
狭き門を潜り抜ける戦いは熾烈を極める。

ただ、現状がやや足踏み状態となっている以上、思い切った抜擢が必要なのは確か。


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現に世界ジュニアやユニバーシアードではメダル獲得に沸き返り、アンダーカテゴリーからの突き上げが強くなってきた。

昨年もシニアがストレートで敗れたタイを相手にアジアカップのメンバーが奮闘した。

その時のエースが長内美和子選手。

このまま下のカテゴリーが強くてシニアがいまいちとなると、総取っ替えの声も強くなり、無視出来なくなる。

世代交代の波は日増しに強くなってきている。
それをどう考えるか?


それはさておき。

もし仮に中国やアメリカに勝てたとしても、それだけで金メダルという訳にはいかない。


Sクラスの次に難易度の高いAクラス。
ここに勝てないと論外だ。

セルビア:2勝3敗(参考外含まず)
ブラジル:2勝2敗
ロシア:1勝2敗(参考外含まず)
イタリア:1勝2敗

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セルビアはどうしても勝てない訳ではないが、やはり脅威はサウスポーのポシュコビッチ選手対策。

ミハイロビッチ選手は日本でもプレイしある程度手の内は知り尽くしている。

あとは再三苦しめられているラシッチ選手対策。
日本はミドルブロッカーの攻撃に再三苦しめられている。ブロック対策とディグが鍵を握る。


ブラジルは小型化が進んでいる。
ネーションズリーグではスピードが信条のガビ選手がエースだったが、かつての中心選手が少なくなりナタリア選手ぐらい。これからタンダラ選手なども合流してくるが、全盛時のブラジルを10とすれば現在は7.5ぐらい。

もはや勝てないチームではなくなってきた。


ロシアはコシェレワ、ゴンチャロワ選手の二枚を欠いたネーションズリーグが参考外。両エースが揃うと手強いが。日本にとって相性の悪い相手ではない。

ここをステップボードにしたいが、やはりマークすべきはエース対策。若手切り替え中だか、今後どうなるか?


今やトップクラスと肩を並べるイタリア。
エゴヌ、シッラ選手が揃うと手強い。
昨年の世界選手権では互角の戦いをしているが、鍵を握るのは古賀、石井、黒後選手の三枚エース。
サーブ、サーブレシーブ、ディグ、ブロックの徹底強化と打ち負けしないようにしたい。

ライト新鍋選手、鍋谷選手もキーマンだ。


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ワールドカップに出場しないイタリアは来年に持ち越しだが、更なる強敵が増えた。

トルコ、ポーランドの復活組。
韓国、ドミニカ共和国の中堅組だ。

特にポーランドは男子が強く、女子もようやく追い付いてきた。
アンダーカテゴリーも強く、今後厄介な相手。

日本にとって鬼門となる面倒な相手たち(続く)