U-20世界選手権の余韻覚めやらぬ中、国内では高校ナンバーワンを懸けるインターハイが明日から開幕する。

近年、この高校生がことのほか強く、大学の有力チームですら勝てない場合も多い。

天皇杯や黒鷲旗大会、各地区の選手権などで下剋上を達成している。

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高校バレーと言っても一口には同じでなく、伝統のハイセットからのオープン攻撃を得意とする下北沢成徳高校や競り合いに強い金蘭会高校、超高速コンビを得意とする東九州龍谷高校や、変わったところではセッターとリベロ以外全員アタッカーの共栄学園高校などもある。

こうした精鋭ばかりなので、内定選手のうちからV-leagueのレギュラーとして活躍する選手もいる。
古賀選手も内定選手のうちから試合に参加し、その年のうちに所属するNECは日本一に輝いた。

そこから全日本で本格稼働し、V-league初のシーズンを迎える前に全日本のレギュラーとして活躍し、ワールドカップでは早くもエースの一角を務めた。

こうした抜擢はバレーボールの流れそのものを大きく変える。

世界一となったジュニアチーム。
全日本シニアが続々と結果を出すアンダーカテゴリーの流れを遮る蓋になってはいけない。

ここから何人の若者がシニアに巣だっていくか、早くもそれが楽しみだ。



果たして、この流れを追い風とするか、逆風となるか、なおのこと全日本シニアの動向が気になる。

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まず、編成上考えなくてはならないのは、現在の全日本シニアチームが闘う上で主流となっているマラソンマッチ形式だ。

日本は相手アタックに対し、ブロックでワンタッチを取り、リバウンドを拾い、ラリーに持ち込んでトランジョンで点を取るスタイル。
それ故にスタミナの消耗が激しい。

これには狙いがある。

確かワールドカップ2015の時、セルビア戦を前に眞鍋監督が敢えて長い試合を仕掛けたことがあった。

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セルビアは日本より大きいが、その分スピードとスタミナで劣る。長丁場に持ち込んで相手のスタミナを消耗させる。

常套手段である。

ただ、動き回る日本もしんどい。
だから複数人のフレッシュなアタッカーを要所で投入。或いはセッターを変えてテンポと流れを変える。

問題はオリンピックを想定した場合だ。

通常の国際大会と違い、12名だ。
余分は持てない。

前回大会はリベロ佐藤あり砂選手とレシーバー座安琴希選手で臨み、古賀紗理那選手が外れている。

全日本には井上琴絵選手と小幡真子選手という優秀なリベロがいるが、今のところ甲乙つけがたく、得手も違う。

リベロの編成ばかりではない。
ミドルブロッカーは三枚が予想される。

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荒木絵里香選手、奥村麻依選手。
この二枚は有力として

芥川愛加選手、岩坂名奈選手、渡邉彩選手、そして故障で出遅れている島村春世選手。

実績からすれば島村選手だが、実戦から遠ざかっている。

岩坂選手は修行の成果のブロードにトライし頑張っているが、課題の得点力如何ではどうなるかわからない。

キャプテンとして牽引してきた功績は分かるが、最後ほ選手としてのパフォーマンス。
全てはそれ次第。

また、ミドルブロッカーを多めにするならひとりぐらいはサイドとの兼用がいないとしんどい。

前述の通り、日本は激しく動き回りスタミナの消耗が激しく、またマラソンマッチになることが多いため、出来るだけ多くのサイドアタッカーを抱えたい。

それもサーブレシーブが出来て決定力もあるパスヒッターが多いほうがよい。

ミドルブロッカーは控え選手が試合に出ない場合も多く、その分が無駄となる。
だから、ミドルを増やすなら兼用選手が欲しい。

かつて荒木選手をライトで起用してみては、という提案も、荒木選手の打力を考えてのこと。

仮にレフト古賀選手、ミドル岩坂選手、ライト荒木選手なら前三枚が相当高くなる。

また、逆の発想でもいい。

ミドルを削ってサイドとミドルの兼用選手を抜擢する。

現在の全日本にはいないが荒谷栞選手や堀井有蘭選手などV-leagueには何人か兼用可能な選手がいる。

勿論、高さも兼ね備えないといけないので全日本の大竹壱青選手のようにミドルからオポジットの転身はありだ。

あと、肝心なことがもうひとつ。
サイドアタッカーの決定率をあげる。

試合をご覧の方ならば分かるが、ラリーに持ち込んでも決めきれずに逆に切り返されるケースが多い。

相手サーブからのレセプションアタックまではいいとしても、問題はトランジョン。

特にレシーブが乱れた時、二段トスを打ち切れるアタッカーを複数人抱えること。

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二段トスを打ち切るのが得意な石井優希選手、何度もリバウンドをとってしつこく仕掛ける鍋谷友理枝選手、ここぞでクロスやストレートを決める新鍋理沙選手などがいるが、土壇場で頼りになるのはやはりエース。

ゾーンに入った時の古賀紗理那選手や黒後愛選手は頼もしい。

ただ、それでもまだ、足りていないのだから抜擢もいる。

ワールドカップに荒木選手と井上選手、田代選手が加わってどうなるか?

来年は長岡望悠選手の復帰も期待される。

その前にアジア選手権の人選や結果はどうなるか?
まず、全てはそこからとなる。