正直、中田久美監督のインタビューに失望した方は多かったのではないだろうか?


レセプションアタックとトランジションは二年目までのお話。女子の男子化は5年前以前からの取り組みで、個人能力の限界突破は、眞鍋ジャパンでもやっていたこと。

余り注目されなかったが、眞鍋ジャパンでは個人能力の向上から全体的な練習へと移行する。
例のブロックマシンなどもそう。

リオデジャネイロオリンピックの時はサーブとサーブレシーブ対策が重点的に行われたが、結果は芳しくなかった。


どうも、この三年進歩が余り感じられない。
ラストイヤーで個人能力の限界突破がメインとして取り上げられてしまうと、最後は個人頼みと聞こえてしまう。

眞鍋ジャパンでも最後は選手個々の能力と言っていたが、正直、多くを期待するのは難しそうだ。

昨年は対外試合がひとつもない。
逆に日本のデータも取られていない。


この状況を利用しないと勝ち目はない。

気になるのはドリューズ、アキンラデウォ選手と言ったアメリカ系の選手が日本バレーを学んでいるところ。

日本がアメリカに勝てないのは、闘う前から相手に研究され尽くしていることが原因にあるように思えるのだが…。


それはさておき。

現在の全日本のサイド陣は以下の通り。

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1.黒後愛選手(東レアローズ)OH
180cm 最高到達点306cm

2.古賀紗理那選手(NECレッドロケッツ)OH
180cm 最高到達点307cm

4.長岡望悠選手(久光スプリングス)OP
179cm 最高到達点308cm

7.石井優希選手(久光スプリングス)OH
180cm 最高到達点305cm

8.石川真佑選手(東レアローズ)OH
173cm 最高到達点300cm

11.鍋谷友理枝選手(デンソーエアリービーズ)OH
176cm 最高到達点305cm

17.井上愛里沙選手(久光スプリングス)OH
178cm 最高到達点303cm

18.東谷玲衣奈選手(デンソーエアリービーズ)OH
177cm 最高到達点297cm

21.林琴奈選手(JTマーヴェラス)OH
173cm 最高到達点292cm

22.内瀬戸真実選手(埼玉上尾メディックス)OH
171cm 最高到達点293cm


丁度10名。
うち、井上愛里沙選手と内瀬戸真実選手は本日ファイナルのV-CUPに参加中。

この中で東京オリンピックに進むと目されるのは6名。3/5の確率となる。


怪我や極度の不振でもない限り、当確と見られるのが、

黒後、古賀、石川選手の三名。


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石井、鍋谷、長岡、林選手の四名の中から三名と目される。

石井選手が加わると3名の中から二名になるが、今年V-leagueレシーブ賞でJTマーヴェラスの中心メンバー、かつ攻守のバランスに優れた林琴奈選手は是非出場させたい。

となると、鍋谷、長岡選手による競合というのが妥当な線。

また、ライトが焦点となる。

新鍋理沙選手の引退でライトが薄くなった。

今季のV-leagueではライトのレギュラーとしてシーズン通じて活躍したのは黒後愛選手のみ。

東谷玲衣奈選手は後半活躍しサーブレシーブもこなせる。井上愛里沙選手もライト起用があったが、レフトでもどちらでもOK。

生粋のライトは長岡望悠選手ひとりだが、打力がどこまで回復しているかが鍵。

過去、眞鍋ジャパンでも長岡選手にサーブレシーブをさせる試みを持ったらしいが結局断念。ジャンプフローターへのトライもあったがこちらも断念。
唯一のサウスポー、ワンクッション入れる存在なので二枚換えでもスターターでも良いが、その場合は両レフトがサーブレシーブに入る。

ジャンプサーブも武器。


黒後選手がライトに回っているのも全日本を意識してのこと。

今年は攻守ともに成長力著しい古賀紗理那選手を改めて不動の軸に据えたい。

もういつまでもエース不在では困る。


中田ジャパンが編成されて5年目。
まず、キャプテンとセッターと明言されながらどちらも決められず、キャプテンは実績ある荒木選手にスイッチ。セッターは2019年レギュラーの佐藤美弥選手が今季V-leagueではほとんど試合出場なし。
現在の中心は関、籾井選手の若いセッターが中心で、時代が変わってしまった。
未だにどうなるか不明瞭。

四年掛かって形になったのはリベロだけでは話にならない。


最低限やって欲しいことは

①エース固定

②なるべくデータのないバレーボールを展開する。

③若手選手の積極起用。


概ね、この3つ。

戦術的に新しい試みがない場合、今のままでは玉砕しかない。

ある程度同じ選手を起用し続けて、結果の出た選手と出なかった選手の判別は出来る筈である。

また、4年の間で浮き沈みもあって復活した選手、伸び悩んでいる選手も当然いる。

となると、ふるい落としはバッサリやらないと、2019年のワールドカップ同様元の木阿弥となる。


希望は相原昇コーチ。

東龍の監督として一時代を築き、数多くの全日本選手を輩出してきた。長岡、鍋谷選手らは教え子にあたり、黒後、古賀、石井、石川、林選手らはかつてのライバルチームの選手となる。

それらをひっくるめてどう闘うか、鍵を握る人物のひとり。

問題はどこまで指導方針が噛み合うか?


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また、世界ジュニア選手権やアジア選手権でも指揮を執り両大会連覇で一躍脚光を浴びた。


現在はアンダーカテゴリー監督と兼任だが、次期全日本監督として経験を積ませるための人事とも目される。



尚、今年は中国との親善試合とネーションズリーグしか前哨戦がない。

筆者が監督なら、どちらも捨てゲームとし、若手選手中心としてベテランは手合わせ程度にするか、その逆でベテランを使っても、コンビプレイなどは一切行わず単なる肩慣らしにする。

この大会が全敗でも痛し痒しだからだ。

例えば、新しい試みがあるなら話は別。

2014年にハイブリッド6を投入した時も連敗スタートで、中盤以降ようやく勝ち始めた。

要は人事も含め東京オリンピックまでにピークに持っていければ良いので、下手に好成績など上げられても警戒されるわ、データは取られるわで全く意味がない。

なるべく相手を油断させて、地の理を活かした闘い方を用いたい。

例えば、故松平康隆氏はミュンヘンオリンピックの時、体育館の滑り具合を調べ専用の靴を作らせたり、日本への声援が集易いようドイツに何度も遠征する、試合は若手中心で、困った時のベテランなど役割分担を徹底し、日本の選手が力を出せるよう事前準備を怠らなかった。

眞鍋ジャパンでは背番号を一斉に変えて、相手を困惑させたり、失敗に終わったが髪型を全員同じにするなどの工夫が凝らされている。

結局はどこまで周到に、様々な角度から力を出せる準備がなされているのかに尽きるのだが、相原コーチが加わって新しいエッセンスがどのぐらい加わったのか、そこでも変化は見られるだろう。

また、本当に進めて欲しかったのは、ミドル⇔ライトの兼用選手の活用・育成だ。

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V-leagueでは人材不足を補うために東レの小川愛里奈選手がライトをこなしつつブロードもこなし、バックアタックまで繰り出し話題になったが、これに刺激を受けた久光の濱松明日香選手がライト側からの攻撃も積極的に繰り出している。

眞鍋ジャパンの頃も本職ミドルの山口舞選手がオポジットに入り、ミドルとのコンビネーションで一世を風靡したが、今の全日本にはライト側の機動力でミドルとの複雑なコンビネーションがない。

以前、荒木選手のライトコンバート案を出したが、これにはメリットがあり、前二枚が高くなる。

更にバックローでの攻撃参加も出来、サーブレシーブがこなせるとミドルとサイドの兼用選手がいるとその分人員に幅が出る。

男子では大竹壱青選手や出來田敬選手をライトで使ったり、守備力の高い小野寺太志選手をサイドで使ったり、柔軟な選手起用を行い、結果として大竹選手と小野寺選手は主力として育った。
四年あったなら枠組みに捕らわれず、こうした試みは必要だったと考える(続く)