中国親善試合後のインタビューがバレーボールマガジンに掲載されている。


先日の中国親善試合では島村春世選手だけ試合出場がなかった。

12名しかいない本番仕様なのだから、ちゃんと出場機会は与えて欲しい。

仮にもアタック決定率一位の選手だ。2018年の世界選手権のような飼い殺しはもう、真っ平後免である。

これまて触れてこなかったが、今だから綴ると、中田ジャパンは選手起用がおかしい。

そう思える場面が多々あった。

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例えば、高橋沙織選手。
2018年のネーションズリーグにてサーブレシーブが崩され、急遽投入されたが上手くいかなかったらすぐに下げられ、遂にスタメン出場ゼロで終わった。

あんな酷い選手起用はない。

男子は最低何試合かスタメン出場の機会を設けるが女子はない。

堀川真理選手や今村優香選手、井上愛里沙選手の使い方も酷かった。

堀川選手は貴重なサウスポーで試合に出れば活躍するのだが、サーブレシーブ免除での成果がもうひとつと判断したのか、段々二枚換えが主で出番が削られていった。

今村優香選手はモントルー・バレーマスターズのみの出場となり、井上愛里沙選手は当初、エース候補と言われながら、中途半端な起用で終わり、以後出番なし。

それでいて、キャプテンだった岩坂名奈選手はベンチウォーマー。結局、キャプテンから外れ、全日本から姿を消し、今年引退。島村春世選手も出場機会が少ないまま、故障を機に全日本から外れた。

宮下遥選手は膝の故障から戦列を離れ、以後、毎年登録はされるも2018年は試合出場なし。2019年のスタメン出場は、ネーションズリーグの韓国戦のみ。
ワールドカップでは二枚換えとリリーフサーバーのみでスタメンゼロ。

飼い殺しとなっている。

佐藤あり紗選手もそうだ。
初年度のワールドグランプリを前に姿を消した。
こちらの理由は不明だが、とにかく、人事がかったるい。


セッターは毎年交代。

冨永こよみ選手は実質、最初の二年のみ。
最もトス質の良いと評価の高い佐藤美弥選手は実績に乏しく、最も苦戦した2019年のレギュラーセッター。

田代佳奈美選手は2018年世界選手権でレギュラーを張り最も実績を示したが2019年は試合出場が殆どなかった。

ワールドカップでは佐藤選手が全戦スタメンもかろうじて勝ち越すのが精一杯。今年はアキレス腱の故障で殆ど試合に出られず、それでも全日本に呼ばれたものの東京オリンピックは難しそう。


黒後愛選手や荒谷栞選手は初年度登録のみ。

黒後選手は世界ジュニアで銅メダルを取り、翌年からようやく起用。井上愛里沙選手もユニバーシアードで銀メダルを取り、翌年ようやく起用。

古賀紗理那選手がエース一番手と目されながら、下げられるケースが多く、中々固定して使って貰えなかった。


ご自身が15歳で全日本に行って苦労したからなのか、とにかく序列を重んじ、新人をすぐに使うことがない。

その反省を踏まえ、籾井あき選手や山田二千華選手を使い始めたが、籾井選手はルーキーながらJTマーヴェラスのレギュラーセッターとして優勝に貢献しても黙殺され、全日本には選ばれず、今年、JTの連覇でようやく認められ、出番を得た。

山田二千華選手は2019年の世界ジュニア選手権、アジア選手権の優勝メンバー。

結局、この時も抜擢されたのは二大会連続MVPの石川真佑選手のみで、山田選手は二年遅れでようやく機会を得た。


とにかく、人事のサイクルが遅い。

もっと積極的に若い選手を抜擢しないとどんどん時代遅れになる。

だからチームに新鮮味がなく、いつもどこかで見たようなメンバーばかりとなり、手の内バレバレの型通りのバレーボールが展開される。

だから、結果が出ない。



中田ジャパンがスタートした当初とは5年が経過している。

その間に時代が変わってしまったのだ。

それも人材がいない訳ではない。
全日本、いや中田監督が蓋をしているだけにしか映らない。

事実、ジュニアは世界一になり、アジア選手権ではシニアと並ぶ優勝をあっさりとやってのけた。

それも、シニアが勝てない韓国のフルメンバーを堂々と破っているのだ。

これでは面目などあるはずもない。

その時の監督が相原昇さん。
今はコーチとして入閣している、

男子はブランコーチが主導で動き、強くなったが、女子はフェルハトコーチが去ってから弱くなった。

そんな印象しかない。

相原コーチは高校バレー屈指の名監督。具体的なアイデアに乏しいのであれば、いっそ全部任せてみてはどうだろうか?


どうもひとつのことに固執しているうちに時間ばかりが過ぎている印象がある。

リーグでの実績が足りない長岡望悠選手にこだわったり、石井優希選手を使い続けている点などそうだ。

キャプテン荒木選手はリーグでもしっかり結果を出しているが、本当なら次の世代のキャプテンを選んでも良かったのではないかと思う。

筆者なら小幡真子選手を指名する。
これは恐らく、井上琴絵選手と甲乙つけがたいので指名しずらかったのではないか、と推察される。


ネーションズリーグではなるべく全員均等にチャンスを与えて欲しい。

呼んだ以上責任があるし、眞鍋ジャパンでもOQTに出場のなかった江畑幸子選手や井上愛里沙選手、田中瑞稀選手にもチャンスを与えていた。

良いものは良いで判断しないと、単なる好き嫌い、使い勝手だけでチームを編成しているように映ってしまう。

結局、実績重視、それも二年続けてでないと起用しないので、旬の時期が短いアスリートの人材起用には向いていない。

V-leagueで結果を出した選手はそれなりにチャンスを与え、広く人材を登用してほしい。

そうでないと、結局、女性監督では成功しないというレッテルを貼られるだけとなる。

特に男子は高橋藍選手のように次なるピースが続々と集まり、選手層に不安がない状態となっている。

5年経って、立場が逆になった男子と女子。

それを踏まえて、さあ、どうする?

選手は揃っている。
名監督が参謀にいる。

あとは、監督自身が周りの変化にどう対応するかだけ?


最後に

今年のスローガンに我が道を往くというのがあったが、これもおかしい。

この言葉は結果を出した者が使うものだ。

数字が伴わないのに、我が道を往かれても、迷走が続くばかりである。



正直、中国親善試合は相手が中国だからやむを得ないが、今のままだと。良かったのは二年目まで。

以後、不安定のまま進化もせず、結局、長い目でみると眞鍋ジャパンの後では荷が重すぎ、時代の繋ぎ役でしかなかった、という評価しか得られないこととなる。


昨年一年間、国際大会がなかったとはいえ、一年間何をやっていたのか、と言われかねない。

最も、東京オリンピックが無事に行われるかどうかも怪しく、難しい状況ではあるのだが、果たして伝説は幻となるのか、それとも、起死回生はあるのか…。