あまり皮算用の話し合いばかりしていても仕方ないので、ミドルブロッカーのことを綴る。

この4枚の使い方が明暗を分ける、と云っても過言ではない。

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前々回、ミドルとオポジット併用、ダブルブロードなどの複雑なコンビプレイ。ワンポイントブロッカーやビッグサーバーとしての起用についても綴った。

本業はブロックとクイック、ブロードを交えた攻撃面。

今回の4名は全てブロードが得意で、荒木、島村、山田選手が180cm超えと長身揃い。奥村選手はコミットブロックが得意。

ブロック対策と攻撃面を併用した形となった。

ただし、ミドルブロッカー4名は多い。
よって、世界選手権の時のようにレギュラー固定・飼い殺しのような使い方をするぐらいなら、ミドル4枚起用の決断が全く無駄になる。


そうでなくても、東京オリンピックは12名。一枚とも疎かには出来ない。
筆者はかなり以前から、バレーボールのオリンピックについては、14名に変更すべきと綴った。

12名というのはリベロ制度以前の骨董品のようなルール。国際大会のほとんどが13~14名起用なのに、何故かオリンピックだけはいつまでも12名のまま。

せっかくの東京オリンピックなのだからこの期にルール変更をして貰いたかったが、それも叶わなかった。

とにかく、12名と決まってしまった以上、4名のミドルブロッカーの使い方が明暗を分ける。

どのみち、1試合多くても3名程度しか試合に出ないので、ミドルを一枚オポジットで起用するなどの奇策があってもよい。

その分前が高くなるし、荒木選手や島村選手はやる気になればバックアタックもこなせる。

男子は実際にそれをやっており、あとはどこまで柔軟な思考があるかどうか。

さすがにネーションズリーグと同じメンバー固定、戦術も同じでは通用しないだろう。

勿論、サーブ、サーブレシーブ、ディグ、ブロックを詰めてくるにしても、それだけでメダルが取れるなら苦労はない。


選手は揃った、陣容は固まった。

ここから先は監督、コーチの采配と戦略次第。

頭を使わないとさすがにトップクラスには通用しない。

だから、壁に当たっていて、5年間FIVBの国際大会ででメダルゼロだった。

どの程度の手立てと準備が出来たのか、それも本番で分かることなので、あとは首脳陣の考え方にお任せする。



さて、レバタラの話をする。

もし、体よく決勝ラウンド2位以上通過なら、恐らく当たるのはロシア、イタリア、トルコのうちのどれか?

この中ではロシア、トルコならなんとか、と思っていたが、そのトルコにネーションズリーグの決勝ラウンドで惨敗。大きな課題が残った。

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予選ラウンドでの直接対決では肩慣らし程度でしか使わなかったカラクルト選手。本番では3-0のストレートで敗れ、かつエブラル・カラクルト選手ひとりに30点近く点を取られては勝ち目はない。

何しろ2m近い高さからブロックの上から打ってくるので太刀打ち出来ない。ディグで拾いまくってスタミナを消耗させ、長期戦に持ち込み、打点を低くさせて決定力を下げる。

考えられるのはこの戦法。
昔の岡山シーガルズがそうだった。

ディグは素晴らしいがサーブレシーブがいまいち。
ディグだけだと選手の消耗が激しく、攻撃が安定しない。そこでサーブレシーブを安定させ、レセプションアタックを強化し、ディフェンス力はリーグトップクラスになった。

そして、サーブレシーブが安定したことによりサイドアウトが取れるようになり、複雑なコンビネーションがこなせるようになった。

本当はこれをやりたい。

だから、ミドルブロッカーが4枚いたら、ライト側の複雑なコンビネーションを絡めて攻撃したいので、ミドルのオポジット転用を提唱した。

V-leagueでは多くのチームがこれをやっている。
全日本がこの流れに追い付いていない。

勿論、黒後選手で粉砕出来ればそれに越したことはないが、単調過ぎると相手に慣れられ、マークも厳しくなる。

だから、幾つもの組み合わせが必要となる。

一本調子で勝てるほど世界は甘くない。
実際、ネーションズリーグではトップクラスとの格差は感じた筈である。

五年もやっている以上、戦術的な進化がほとんどないは言い訳にならない。時間は限られているが、本番までしっかりやって欲しい。



ロシアはコシェレワ選手が代表を外れ、ゴンチャロワ選手がエース。ミドルを多めにゴンチャロワ選手を中心に攻撃を展開してくると予想される。

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ネーションズリーグでは守備の緩慢さで勝てたが、本番では絞めてくると思うので、相手の守備体形からなるべく穴を早く見いだして崩したい。

また、毎回ブロックで苦しめられるので、速いテンポを交えたコンビバレーで先手を取りたい。


トルコやロシアはネーションズリーグで当たっているのである程度対策は出来るが、イタリアはセルビア同様、ネーションズリーグは完全に主力温存。

こちらはほぼ、ぶっつけ本番。

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今現在、確認されている選手は日本でも活躍したソロカイテ選手を始めマリノブ、ジェンナーロ、ボセッティ、キリケッラ、ダネージ、シッラ、エゴヌ選手といった主力。

ネーションズリーグの試合は参考外。

エゴヌ選手とミドルを絡めたコンビネーションは強力で、世界選手権同様高い壁となるだろう。

何よりも二年間対戦がないので、ほとんどぶっつけ本番。

準々決勝で当たったとしても、中国、アメリカを除くと一番嫌なチームかもしれない(続く)